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(960) YOICHI KOBAYASHI & J, MESSENGERS / NIAGARA SHUFFLE

phillip harper(tp), vincent herring(as), robin eubanks(tb),
david kikoski(p), essiet essiet(b), yoichi kobayashi(ds)
2019/Paddle Wheel/



 1  Niagara Shuffle (Y.Kobayashi)
 2  Along Came Betty (B.Golson)
 3  Ping Pong (W.Shoter)
 4  A Lovely Way To Spend An Evening (J.Mchugh)
 5  Mornin' (B.Timmons)
 6  Chiken An'Dumplings (R.Bryant)
 7  Bu's Delight (C.Fuller)
 8  Dat Dere (B.Timmons)
 9  For Heaven's Sake (D.Meyer/E.Bretton/S.Edwards)


先日、小林陽一&ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズのライブに行きました。
■小林陽一(ds)、谷殿明良(tp)、原川誠司(as)、リン・ヘイテツ(p)、鈴木堅登(b)
私は小林さんのジャズに対する姿勢とサウンドが大好きなんです。
グッド・フェローズ時代から一体何人の若手プレイヤーがここから育っていったことか。
長く続けることのむずかしさ・・・まったく頭が下がる思いがします。
ジャズ・スピリッツを若い世代に引き継ぐのはとても大事なことです。

小林さんのライブにはゲスト出演が多いですがこの日も3人が飛び込んできました。
テナー・サックス、ピアノ、ベースの3人です。
特にテナーが入ると3管編成になりハーモニーが分厚くなるので迫力が増しました。
こうやって小林さんは新人を発掘しているんです。
ちなみにこの日はトランペッターの谷殿明良さんのJ.J.M最後の出演になりました。
谷殿さんの端正なトランペットが好きなのでまた聴きに行きたいと思っています。
同時に新しいトランぺッターは誰なのかが楽しみになりました。

さて今作は小林さんの新作です。
全9曲は自身のオリジナルが1曲とその他8曲の構成です。
ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ウェイン・ショーター(ts)などのメッセンジャーズ馴染みの曲も多い。
ジャズ・メッセンジャーズの名前は小林さんがアート・ブレイキーから許されたものなんです。
さすがにベテラン・ドラマーは人脈も広くてメンバーを見て驚いてしまいました。
フィリップ・ハーパー(tp)、ヴィンセント・ハーリング(as)、ロビン・ユーバンクス(tb)のフロント3管と
デヴィッド・キコスキ(p)、エシェット・エシェット(b)、小林陽一(ds)のリズム・セクションです。
聴きどころは現代のジャズ・ミュージシャンが往年の名曲をどうこなすかになります。
多分メッセンジャーズの曲をこんな風に連続して演奏することはないんじゃないかと思います。
みんなが和気あいあいと楽しくやっている雰囲気が伝わって来るようです。
個人的にはキコスキとハーリングに耳が向いたけどユーバンクスは久々に聴きました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(959) MAGGIE GREEN / FIRST SONG

maggie green(vo),
eric augis(p)(3,5,7,10), jon eshelman(p)(4,8,9,11), chris berg(b)(1,2,3,5,6,7,10),
roger hines(b)(4,8,9,11), joe ong(ds)(3,5,6,7,10), jim ed cobbs(ds)(4,9,11),
seth earnest(ds)(1,2),
chris howes(vln)(1,4), stan smith(g)(1,6),
ron hope(per)(1,4), eric paton(per)(11)
2007/Maggie Green/



 1  Chega De Saudade
 2  No Moon At All
 3  First Song
 4  So Danco Samba
 5  Up Jumped Spring
 6  A Felicidade
 7  I'm Old Fashioned
 8  My One And Only Love
 9  All Blues
 10  But Not For Me
 11  Agua De Beber


マギー・グリーンも初見、彼女もカナダのヴォーカリストでした。
思うにカナダ出身の女性ヴォーカリストを聴く機会が多くなりました。
カナダは女性歌手の層が厚いと思います。
ヴォーカルを意識して聴くようになってから手当たり次第に聴いているところです。
乱読ならぬ乱聴き状態になりました。

今作も自主制作盤でプロデュースは本人自身です。
全体的にちょっと力が入り過ぎるところがあるのは仕方がありませんね。
馴染みがあるスタンダードやラテン中心で自身の音楽性が網羅されていると思います。
声質はしっとりとして艶があります・・・私はとても気に入りました。
落ち着いた大人の歌声と端正で丁寧な歌い方には好感が持てます。
サウンド的にはヴァイオリン入りの(1)、(4)が面白かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(958) RUUD BREULS - SIMON RIGTER QUINTET / RISE AND SHINE

ruud breuls(tp,flh), simon rigter(ts),
karel boehlee(p,rhodes), jos machtel(b), marcel serierse(ds)
2019/Challenge Records/



 1  Mr.T (K.Boehlee)
 2  Let's Cool One (T.Monk)
 3  Blanton (S.Rigter)
 4  Goodbye Cerbaia (K.Boehlee)
 5  Olivia's Dance (S.Rigter)
 6  Get Your Fringe Back (K.Boehlee)
 7  Passage Of Jaco (K.Boehlee)
 8  Rise And Shine (S.Rigter)


ルード・ブレーブス(tp)とシモン・リヒター(ts)は初見。
オランダ発のハード・バップ作品はフロント2管の王道クインテットに惹かれました。
共演者にカレル・ボエリー(p)の名前が見えたのも安心感に繋がりました。

全8曲はセロニアス・モンク(p)の1曲を除いてメンバーのオリジナルです。
ボエリーが4曲とリヒターが3曲を提供しています。
これを見ると実質的なリーダーはカレル・ボエリーと言ってもいいかもしれませんね。
実際、1曲目の最初のソロを取るのはボエリーです。
切れのあるスイング感と軽快で爽やかなハード・バップ・サウンドを聴かせてくれました。
やっぱりトランペットとテナー・サックスの組み合わせは最高だと思う。

(帯中よりの抜粋)
オランダのジャズ・シーンとビック・バンドの人気ソリストとして活躍する二人の才能、
ルード・ブレーブスとシモン・リヒターによるオランダのクインテット!
ヨーロピアン・ジャズ・トリオの初代ピアニストであり、トゥーツ・シールマンスとの共演でも知られる
オランダの人気ピアニスト、カレル・ボエリーを始め、
オランダの名プレイヤーが集ったクインテットで充実のアンサンブルを聴かせます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(957) CHANTAL CHAMBERLAND / DRIPPING INDIGO

chantal chamberland(vo,g),
paul white(as), bil holinaty(ts),
bart nameth(p), steve pelletier(b), dan lockwood(ds),
bob doidge(flh,tp), john kenyon(p)(7,16,18)
2005/Chantal Chamberland/



 1  Once In A While
 2  Bewitched
 3  I Wanna Be Around
 4  Georgia On My Mind
 5  One For My Baby
 6  How deep Is Your Love
 7  I'm Beginning To See The Lght
 8  Lover Man
 9  Les Cinemas-Bars
 10  Teach Me Tonight
 11  Body And Soul
 12  Someday
 13  The Good Life
 14  I've Got You Under My Skin
 15  Hot Night In Baton Rouge
 16  Don't Get Around Much Anymore
 17  Smoke Gets In Your Eyes
 18  L'hymne A L'amour


カナダのギタリスト&ヴォーカリストの「Shantal Chamberland]は初見です。
シャンタル・チャンバーランドとシャンタル・シャンべランの読み方がありました。
後者の方がしっくりくるかな。

今作には興味深いところがありました。
レーベルが自分名義なので自主制作盤と思いきやプロデューサーもちゃんといます。
ジャケットも演奏内容も確かだし、「シャーリー・ホーンに捧ぐ」というはっきりとした目的もある。
ということで自主制作盤にしては出来過ぎだと思いました。

全18曲と多いのは自身の全体像を表現しているのかもしれませんね。
カナダは英語とフランス語の共用なのでシャンタルも両方の曲共に達者なものです。
シャンタルの声質と歌い方も魅力あります・・・歌も上手いと思います。
スモーキー・ヴォイスと言われているようで実にセクシーでディープな歌声です。
これを耳元でささやかれたらもうたまりませんよ。
バックのメンバーも色気十分でムーディーでブルージーな雰囲気に溢れています。
落ち着いた仕上がりで安定感もある・・・それぞれが聴きどころになっています。
私は特に(2)「Bewitched」と(10)「Teach Me Tonight」に痺れました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(956) UBALDO VERSOLATO QUARTET / PORTAL

ubaldo versolato(bs),
marcelo elias(p,rhodes), leo versolato(elb), gabriel guilherme(ds)
2019/Kuarup Music/



 1  Cubango (E.J.Alves)
 2  E Ai Bele ? (U.Versolato)
 3  Flavia (U.Versolato)
 4  Tubo de Ensaio (U.Versolato)
 5  Fefe (L.Versolato)
 6  Estudo No. 3 (L.Versolato)
 7  Vesuvio (U.Versolato)
 8  Tempos Modernos (L.Versolato)


今作はジャケ買い、バリトン・サックスに惹かれた。
ウバルド・ヴェルソラート・・・ブラジルのバリトン・サックス奏者を初めて聴きました。
聴いた途端に飛び出てくるバリトンの重低音が心に響きます。
私は本来ラテン・リズムに重厚なバリトンは似合わないと思っている。
だからこそなおさらこの組み合わせが新鮮だった。
ジェリー・マリガン(bs)とジェーン・ドゥボック(vo)との共演盤↓以来かな。

*GERRY MULLIGAN / PARAISO (1993/Telarc)
gerry mulligan(bs), jane duboc(vo), etc,

全8曲は自身のオリジナル4曲と息子のレオ・ヴェルソラート(elb)作3曲とその他1曲の構成です。
先進の若手ブラジリアン・ピアノ・トリオにベテラン・サックス奏者の共演は十分に刺激的です。
ラテン・リズムに珍しく軽快なバリトン・サックスとのコラボレーションが最大の聴きどころになります。
これほど軽やかなバリトンは聴いたことがありません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(955) FLEURINE / BRAZILIAN DREAM

fleurine(vo,g),
ian faquini(g), eduardo belo(b), vitor goncalves(accor,p,rhodes),
rogerio boccato(per), chico pinheiro(g)(7,8),
brad mehldau(rhodes/p)(1,7/4,6,), chris poter(fl,ss,ts)(1,3,4),etc
2018/Pure Imagination/


 1  Longing
 2  Dreaming
 3  Sing Free !
 4  Passion
 5  Contradiction (Faquini/Guinga)
 6  My King
 7  Sparkling Gemstone
 8  Falling Stars
 9  Let's Stay Together (A.Green)


久々に懐かしい名前を見かけました。
オランダのヴォーカリストのフルーリンです。
2000年発売のブラッド・メルドー(p)とのデュオ・アルバム↓を聴いてガツンときました。

*FLEURINE & MEHLDAU / CLOSE ENOUGH FOR LOVE (2000/Universal)

実は私はこのアルバム↑を聴いてメルドーの評価が一変したんです。
メルドーがこんなに素晴らしいピアノを弾くのかとびっくりしました。
それまで私はメルドーを「少々頭でっかちか」と評価していたから・・・。
フルーリンとメルドーの相性が完璧で本当にカッコ良かったです。
それもそのはずで当時メルドーとフルーリンは恋人同士だったとの情報もありました。

これを聴きながら思ったのはあれからもう20年も経ってしまったことで月日の流れが余りに早過ぎます。
さて今作はフルーリンがブラジル・サウンドに挑戦したものです。
全9曲は自身のオリジナルが7曲とその他2曲の構成です。
フルーリンの夢・・・ずっと作りたかったラテン・アルバムだと思うので気合ノリも十分で力が入っています。
ゲストに前述のメルドーが4曲とクリス・ポッター(fl,sax)が3曲に参加しているのも聴きどころになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(954) EMILIE-CLAIRE BARLOW / THE VERY THOUGHT OF YOU

emilie-claire barlow(vo),
reg schwager(g), nancy walker(p), kieran overs(b), mark kelso(ds),
kevin turcotte(flh)(1), bill mcbirnie(fl)(5,10), kelly jefferson(ts)(6), mike murley(ts)(9)
2007/Empress Music/



 1  The Very Thought Of You
 2  Almost Like Being In Love
 3  O Pato (The Duck)
 4  Les Yeux Ouverts (Dream A Little Dream Of Me)
 5  Pennies From Heaven
 6  What A Little Moonlight Can Do
 7  Surrey With The Fringe On Top
 8  My Time Of Day / I've Never Been In Love Before
 9  C'est Si Bon
 10  De Conversa Em Conversa
 11  The Boy Next Door
 12  So Many Stars


カナダ出身の女性シンガー、エミリー・クレア・ バーロウを聴くのも久し振りです。
前回聴いたのは↓のアルバムです。

*Emilie-Claire Barlow / Like A Lover (2005/Empress)

去年からヴォーカルを意識して聴くようになりましたがひとつ気が付いたことがあります。
それは基本的に女性ヴォーカルでイヤな人はいないということです。
どうも私の場合は女性の声はだれでもいいみたいです。
たしかに声質の好みや歌の上手さに差はあるけれど決定的な好き嫌いになっていません。
聴く人みんなに癒されています。

クレア・バーロウは歯切れの良いくっきりとした歌声の持ち主で歌は上手いです。
ちょっと息継ぎが気になるけどクリアですっきりとした味わいが特徴だと思います。
ビル・マクバーニー(fl)やマイク・マーレイ(ts)といったカナダの名手達が共演しているのも嬉しい。
シャンソンの名曲(9)「セシボン」におけるマーレイのバッキングの素晴らしさにぶっ飛びました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(953) SIMONE / ALOMAS OF HAWAII

simone(vo),
john di martino(p), aaron heick(fl), paul meyers(g),
james genus(b), avin atkinson(ds), chembo corniel(per)
2010/Vinus/


 1  I'll Weave A Lei Of Stars For You (R.A.Anderson/J.Owens)
 2  Hanalei Moon (B.Nelson)
 3  I'll Remember You (K.Lee)
 4  The Hawaiian Wedding Song (Ch,E,King/A.Hoffman/D.Marning)
 5  Beyond The Reef (J.Pitman)
 6  Sweet Leilani (H.Owens)
 7  Pagan Love Song (A.Freed/N.H.Brown)
 8  Blue Hawaii (L.Robin/R.Rainger)
 9  Red Sails In The Sunset (H.Williams)
 10  To Tou Sweetheart, Aloha (H.Owens)
 11  Silhouette Hula (D.K.Stewart/S.Gaham)
 12  The Moon Of Manakoora (A.Newman)
 13  On A Tropic Night (N.Washington/A.Lara)


シモーネ(vo)のハワイアン・ジャズ・ボッサ・アルバムです。
ジャズを聴いていると時々面白い企画ものに出会う時があります。
これもそんな中の一枚になりました。
以前、小野リサさんにも同じような作品がありましたがハワイアンとラテンのリズムは合います。
フルートの音色が心地良く、マルティーノのピアノもメイヤーズのギターも最高です。
夏に向かうこれからの季節にはピッタリかな・・・理屈抜きに癒される歌声です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(952) SACHA PERRY TRIO / THE THIRD TIME AROUND

sacha perry(p), ari roland(b), phil stewart(ds)
2007/Smalls/



 1  Lea
 2  Monkey And Dog
 3  Incident At D
 4  Farewell Brother
 5  Chuckleheads
 6  Time's Up
 7  Noctambule


サシャ・ペリー(p)は以前ドラマーのフィル・ステュワートの作品で気になっていました。
これがSmalls・レーベルの3枚目のアルバムになるようです。
聴けば一目瞭然ですがサシャはバド・パウエル直系のバップ・ピアニストになります。
パウエル〜バリー・ハリス系は現在では珍しいと思います。
頑なにそのスタイルに固執するというのも相当なこだわりと頑固さを持っている。
実はこういう人は面白いんです。
全7曲は全て自身のオリジナルでスタンダードは1曲もありません。
つまり聴く人に迎合せずに自分のスタイルを存分に表現出来ているということですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(951) KATE McGARRY / THE SUBJECT TONIGHT IS LOVE

kate mcgarry(vo), keith ganz(g,b), gary versace(p,key,org)
2017/Binxtown/


 1  Prologue: The Subject Tonight Is Love (Ganz/Hafiz/Ladinsky)
 2  Secret Love (Fain/Webster)
 3  Mr.Sparkle / What A Defference A Day Made (Ganz//Grever/Adams)
 4  Gone With The Wind (Magidson/Wrubel)
 5  Fair Weather (Golson/Dorham)
 6  Playing Palhaco (Gismonti/Lawry)
 7  Losing Strategy #4 (Mcgarry)
 8  My Funny Valentine (Rodgers/Hart)
 9  Climb Down / Whisky You're The Devil (Mcgarry//Trad)
 10  She Always Will / River (Cardenas/Mcgarry//Ganz)
 11  Indian Summer (Herbert/Dubin)
 12  Epilogue: All You Need Is Love (ennon/Mccartney)


ケイト・マクギャリーは初見、アメリカ出身のベテラン・ヴォーカリストのようですが知らなかったです。
第61回グラミー賞「最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム」最終ノミネート作品とあったので手が伸びました。
透明感のあるアコースティックなサウンドで私は「フォーク・ジャズ」との印象を持ちました。
フォーク・ソング+ジャズならすぐにジョニ・ミッチェル(vo,g)の名前が浮かぶけどそれよりはだいぶ軽い感じです。

全12曲はオリジナル5曲とその他7曲の構成です。
夫君のギタリストのキース・ガンズとピアノ&オルガンのゲイリー・ヴァーサスのみのシンプルな編成です。
やわらかく、やさしく、ふわりと歌っている感じで心地良い風に吹かれているような気がします。
・・・そうか・・・「風に吹かれて」となるとやはりジョーン・バエズ(vo,g)なんだろうね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(950) NICKI PARROTT / SUMMERTIME

nicki parrott(vo,b),
john di martino(p), paul meyers(g), tim horner(ds),
dominick farinacci(tp), ,lisa parrott(as,ss,bcl),
2012/Venus/



 1  Too Darn Hot
 2  That Sunday, That Summer
 3  Indian Summer
 4  The Summer Wind
 5  Midnight Sun
 6  On The Sunny Side Of The Street
 7  Estate
 8  Here Comes The Sun
 9  In The Heat Of The Night
 10  When The Sun Comes Out
 11  Summertime
 12  The Things We Did Last Summer
 13  The Summer Knows
 14  You Are The Sunshine Of My Life


現在ニッキ・パロット(vo,b)を何枚か入手して集中的に聴いています。
ニッキには春、夏、秋、冬の歌を歌った「四季の歌」というシリーズがあります。
今作その中の「夏の歌」です。
全14曲中「Summer」入りが6曲、「Sun」入りが6曲と分かり易い選曲ですね。
ニッキの声の良さとリズム感は抜群でさすがにベース奏者と唸らせるところがある。
夏らしくドミニック・ファリナッチのトランペットが明るく空を駆けるようです。
ポール・メイヤーズ(g)のアコースティックなサンバのリズムが心地良いです。
ここにジョン・ディ・マルティーノのロマンチックなピアノが加わる贅沢な一枚に仕上がっています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(949) SK4 / SK4 BLUES

佐藤洋祐(as)、菊池太光(p)、楠井五月(b)、山田玲(ds)
2018/Body & Soul/


 1  SK4 Blues (S.Kusui)
 2  Three Little Word (B.Kalmer/E.Heyman)
 3  Body And Soul (F.Eyton/E.Heyman/R.Sour)
 4  Koinu No Waltz (F.Chopin)
 5  I'll Be Seeing You (S.Fain/I.Kahal)
 6  Night And Day (C.Poter)
 7  Giant Steps (J.Coltrane)


今作は3月に見た「故・辛島文雄・トリビュート・ライブ」の会場で入手しました。
ライブには菊池太光(p)さんと楠井五月(b)さんが参加していました。
南青山の老舗ライブハウスの「ボディ・アンド・ソウル」が製作発売しているものです。
「SK4」の名前はボディのオーナーの関京子氏の頭文字だそうです。
名前が名前だけに悪かろうはずがありませんね。
メンバーで知らなかったのは佐藤洋祐(as)さんだけだったです。
菊池さん、楠井さん、山田玲(ds)さんは何度もライブ・ハウスで見ています。
いずれもその実力には定評がある注目度が高いプレイヤー達です。
というわけでここで一番気になったのは佐藤さんで「どんな演奏を聴かせてくれるのか?」

全7曲はオリジナル1曲、クラシック1曲、スタンダード5曲の構成です。
佐藤さんのアルト・サックスは実に鮮やか、物凄いテクニシャンで変幻自在に展開します。
低音から高音までスムーズに音が出てきてまったくストレスを感じさせません。
驚異的な上手さ・・・これほど達者なアルト奏者はそうはいないのではないかな。
4人に感じるのは圧倒的なスピード感です。
たとえバラードであっても内に秘めた疾走感を感じるのが最大の魅力だと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(948) CHRIS BYARS SEXTET / THE MUSIC OF DUKE JORDAN

chris byars(as), stefano doglioni(bcl), john mosca(tb),
pasquale grasso(g), ari roland(b), stefan schatz(ds),
yaala ballin(vo)(4,7), janita byars(cl)(10), mine sadrazam(p)(10)
2014/SteepleChase/



 1  Jordanish
 2  Undecided Lady
 3  There's A Star For You
 4  If I Did - Would You ?
 5  The Bullet (Shinkansen)
 6  Gabrielle's Wish
 7  Lesson In Love
 8  Paula
 9  Glad I Met Pat
 10  Sultry Eve
 11  Table Chess


先週、このクリス・バイアーズ(sax)を聴いて良かったのでさかのぼって聴いています。
こちらはセクステットによるデューク・ジョーダン(p)作品集です。
バス・クラリネットとトロンボーンの低音楽器2本の組み合わせが珍しいと思います。
バッキングの底辺には重低音が響き、それにアルト・サックスの音が絡まる。
ここでも新鮮で面白いサウンドが聴けました。
めったに聴けないフレディ・レッドやデューク・ジョーダンの曲に陽を当てる。
凝った選曲やアレンジの妙を感じることが出来ます。
クリス・バイアーズには非凡なセンスがあります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(947) CHRIS BYARS SEXTET / A HUNDRED YEARS FROM TODAY

chris byars(ts), john mosca(tb), zaid nasser(as),
stefano doglioni(bcl), ari roland(b), phil stewart(ds)
2019/SteepleChase/


 1  Intention
 2  A Hundred Years From Today (V.Young)
 3  San Juan Hill
 4  Money Can't Buy
 5  All The Things Are Redd
 6  Lovelace
 7  Elevated Tracks
 8  Flight
 9  Incognito
 10  Mountain Top


クリス・バイアーズ(ts)は初見、バス・クラリネット入りのピアノレス・セクステットです。
この組み合わせの面白さに惹かれて手が伸びました。
初めて聴いた時にショックを受けてしまいました。
郷愁を誘う中々にユニークなサウンドが飛び出してきたからです。

重厚なアンサンブルで洗練されたハーモニーを聴かせてくれました。
温故知新・・・現在では珍しいスタイルですが原点はニューオリンズ・ジャズにあります。
以前だいぶ前になるけど、80年代のウィントン・マルサリス(tp)の新伝承派の流れを汲んでいます。
この作品が気に入ったのでさかのぼって同系統のアルバムを2枚聴いてみました。
1枚は8人編成の「フレディ・レッド作品集」でもう1枚は6人編成の「デューク・ジョーダン作品集」です。
特にフレディ・レッドは地味なピアニストですがその作曲能力には秀でたものがあります。
そんなフレディに陽を当てたことからもクリス・バイアーズの非凡さがうかがえました。

全10曲は1曲を除いて自身のオリジナルで占められています。
やはりオリジナル中心の今作の方が前述の2作に比べて数段完成度は高かったです。
やりたいことをやりたいようにやる・・・自身の創作意欲が十分に発揮されたのではないかと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(946) CLAIRE MARTIN & JIM MULLEN / BUMPIN'

claire martin(vo), jim mullen(g),
mads barentzen(p), thomas ovesen(b), kristian leth(ds)
2019/Stunt/


 1  Road Song (W.Montgomery)
 2  Polka Dots And Moonbeams (J.Van Housen)
 3  Willow Weep For Me (S.Ronell)
 4  'Round Midnight (T.Monk)
 5  If You Could See Me Now (T.Dameron)
 6  Goin' Out Of My Head (T Randazzo)
 7  I Could Get Used To This (Bumpin') (W.Montgomery)
 8  West Coast Blues (Bock To Bock) (W.Montgomery)
 9  Back In The Room (B.Montgomery)
 10  Born To Be Blue (M.Torme)
 11  The End Of A Love Affair (E.Redding)


クレア・マーティンはオーストラリア出身でイギリスでブレイクしたヴォーカリストです。
クレアを聴くのは2枚目ですが前回は2002年だったので17年振りということになりました。
長いご無沙汰ですが私にはこういう人がいっぱい居ます。
クレアは声量はやや物足りないけど、とても歌の上手い人です。
ギタリストのジム・ミューレンと組んでのウェス・モンゴメリー(g)のトリビュート盤です。

全11曲はウェス&バディのモンゴメリー兄弟が4曲とその他7曲の構成です。
ヴォーカル盤としては全体的に凝った曲が選曲されていてジャズ度が高い難曲が並んでいます。
一番の聴きどころは「クレアがその難曲をどう料理しているか」ということになると思います。
(2)〜(6)までの流れが素晴らしい・・・ミューレンのクリアなシングル・トーンにも注目です。
ベストは絶妙なノリを聴かせるタッド・ダメロンの(5)「If You Could See Me Now」か。
クレアの上手さが際立つ一枚になりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(945) NICKI PARROTT / AUTUMN LEAVES

nicki parrott(vo,b), john di martino(p),
lisa parrott(bs), paul meyers(g), tim horner(ds),
harry allen(ts), james greening(tb)
2012/Venus/



 1  Autumn Leaves
 2  Early Autumn
 3  Autumn In New York
 4  Autumn Nocturne
 5  Autumn Serenade
 6  Autumn in Rome
 7  Tis Autumn
 8  September Song
 9  Lillaby Of The Leaves
 10  Willow Weep For Me
 11  Maybe September
 12  September In The Rain
 13  Whe October Goes
 14  Stormy Weather


現在ニッキ・パロット(vo,b)を何枚か入手して集中的に聴いています。
何枚か聴いているうちにベスト盤に上げたいのは先週と今週の2枚です。
特に今作はマルティーノに加えて名手ポール・メイヤーズ(g)とハリー・アレン(ts)が共演なので鉄板です。

ニッキには春、夏、秋、冬の歌を歌った「四季の歌」というシリーズがあります。
今作の「枯葉」は当然ながら「秋の歌」ですが4枚の中では一番のお気に入りになりました。
やはり秋は何となく物悲しくてジャズのテーマには向いているような気がします。
(1)〜(7)までのオータム並びが面白い・・・「オータム」が付く歌はみんないいですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(944) GABRIEL LATCHIN TRIO / THE MOON AND I

gabriel latchin(p), dario di lecce(b), josh morrison(ds)
2019/Alys/


 1  Arthur Go (G.Latchin)
 2  Poor Butterfly (Hubbell/Golden)
 3  Peek A Bu (G.Latchin)
 4  Brigi, My Dear (G.Latchin)
 5  Baubles, Bangles And Beads (Borodin/Wright/Forrest)
 6  Polka Dots And Moonbeams (Van Heusen/Burke)
 7  So Danco Samba (Jobim/De Moraes)
 8  In Love In Vain (Kern/Robin)
 9  Zambia (Morgan)
 10  I'll Wind (Arlen/Koehler)
 11  Pippy's Delight (G.Latchin)


イギリスのガブリエル・ラッチン・トリオを聴くのは2枚目になります。
デビュー作が2年前の2017年だったので2枚目になるのかな。
今回はベーシストが入れ替わっていたのでまだ試行錯誤の状態かもしれませんね。
まだ自分の目標とするピアノ・トリオ・サウンドがつかめていない状況にある。

前回私は端正な佇まいに惹かれ、明るく爽やかでスマートなピアノが聴けたと書きました。
さて今作はカクテル・ピアノ風のロマンティックな演奏が聴けました。
アート・テイタム〜エロール・ガーナー、テディ・ウィルソンの流れを汲んでいると思います。
続くはレッド・ガーランド、トミー・フラナガン、ハンク・ジョーンズ、ウィントン・ケリーの系統か。
いずれも日本で人気を博したピアニスト達ですね。
このロマンティック・ピアノのラインにはエディ・ヒギンス〜ジョン・ディ・マルティーノもいる。
となればガブリエル・ラッチンは日本で人気の出るピアニストになるのは確実です。

全11曲は自身のオリジナル4曲とその他7曲の構成です。
(6)「Polka Dots And Moonbeams」は美旋律でとっても素敵だったけど・・・。
私としてはもうちょっと刺激が欲しいのでもう一枚聴いてみたいと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(943) NICKI PARROTT / SENTIMENTAL JOURNEY

nicki parrott(vo,b),
john di martino(p), adrian cunningham(ts,cl,fl), frank vignola(g), alvin atkinson(ds)
2015/Venus/



 1  It's Magic
 2  Again
 3  Just One Of Those Things
 4  Fools Rush In
 5  If I Give My Heart To You
 6  I'll See You In My Dream
 7  Que Sera,Sera
 8  That Old Feeling
 9  My One And Only Love
 10  Blue Skies
 11  Quizas,Quizas,Quizas
 12  Secret Love
 13  Sentimental Journey
 14  Dream A Little Dream Of Me


意識してヴォーカルを聴くようになって、現在はニッキ・パロットがマイ・ブームになっています。
ニッキはヴィーナス・レーベルの看板ヴォーカリストですがようやくそのわけが分かりました。
声がいい、歌が上手い、癒される。
毎度のことだけど私は気付くのが遅いです。

今作は特にドリス・デイのトリビュート・アルバムになっているのでお気に入りの一枚になりました。
(2)「アゲイン」、(4)「フールズ・ラッシュ・イン」、(7)「ケセラ・セラ」などはドリスのヒット曲です。
(10)「ブルー・スカイ」や(11)「キサス・キサス・キサス」の懐かしい曲も入っている。
大好きな(3)「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」も入っていた。
選曲的にも申し分ありませんでした。
バックを飾るロマンティックなピアノを聴かせるジョン・ディ・マルティーノの存在も大きいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(942) KOSUKE MINE QUARTET / BAMBOO GROOVE

峰厚介(ts,ss)、
清水絵里子(p)、須川崇志(b)、竹村一哲(ds)
2019/Tower Records/


 1  Bamboo Groove
 2  凍星(Iteboshi)
 3  Rias Coast
 4  21
 5  Late Late Show
 6  水蒸気(Suijouki)〜Short Fuse
 7  Head Water


先日、「峰厚介(ts)・カルテット」のライブを見に行きました。
このアルバムが出たのは知ってましたがどんなもんだろうか?と思って・・・。
心配無用だった・・・益々元気な姿を見せてくれました。
峰さんで一番印象深いのは本田竹広(p)さんと組んだ「ネイティブ・サン」です。
今では伝説的なフュージョン・バンドですがこれが実にカッコ良かった。

全7曲は全て峰さんのオリジナルです。
曲想豊かで変化に富んでいて峰さんの作曲家としての才能も感じることが出来ます。
サックスの音色は抜けが良くてキレイです。
ジャズメンは老境に入ると概して音の美しさを追求するようになるようですね。
渡辺貞夫(as)さんを筆頭に峰さんもまた例外ではありません。
バラードの(1O)「Late Late Show」を聴くとその美しさに心が洗われるような気がしました。
日本題名を持つ(2)「凍星」も印象的なテーマを持っています。

ベテランには若手を育てる義務があるけど逆にその若手から刺激を受けているのも事実です。
特に峰さんにはそのことを強く感じています。
この作品で言えば竹村一哲(ds)さんであり須川崇志(b)さんですね。
清水絵里子(p)さんもまたアグレッシブなピアノが特徴なので峰さんにはピッタリだと思う。
峰さんと清水さんの共演歴は長いので気心が知れています。

峰厚介 「ライナーノート」より
「ボクはみんなのように外国のレコードを聴き漁ったり、コピーしたりってことはあまりしなかった。
むしろ一緒にプレイするミュージシャンたちにインスパイアされてきたんだ。
菊池雅章、本田竹廣、板橋文夫・・・、もちろん他にもたくさんいる。
彼らのようにすぐれたプレイヤーと一緒にやっていると、思いもよらない発想やフレーズが浮かぶことがある、
その体験が今のボクをつくっているんだよ」

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(941) BILL EVANS SEXTET / DRAGONFLY

bill evans(ts), josh dion(ds,vo), ryan cavanaugh(banjos),
mitch stein(g), clifford carter(key), andy hess(ds),
steve lukather(g)(1,6), john medeski(org)(2), roger squitero(per)
etc
2011/BillEvans/



 1  Madman
 2  Time
 3  Kinga And Queens
 4  Tit For Tat
 5  I Don't Know About Love
 6  Forbidden Daffodils
 7  Nothin' To Believe In
 8  Lay It Down
 9  Dirt County Breakdown
 10  Dragonfly


サックスのビル・エヴァンスを聴くのも久し振りです。
ビル・エヴァンスといえばピアノですがこちらもフュージョン・シーンではよく知られています。
マイケル・ブレッカー、ボブ・バーグ、ボブ・ミンツァーと同系統の立ち位置になるかな。
リアル・ジャズからスムース・ジャズまで幅広い音楽性の持ち主です。
今作はジャケットのイラストに惹かれました。
ちなみにこのイラストはエヴァンス自身が書いたそうです。

全10曲は全て自身のオリジナルで占められています。
面白かったのはバンジョーが加わったことで新鮮なサウンドになっていることです
ロック的ヴォーカルとソウルフルなバック・コーラス、それにエネルギッシュなサックスやギターが絡む。
フュージョン特有の泣きのサックスやギターが鳴り響いてソウル&ファンキーな演奏を繰り広げています。
馴染みのあるスティーヴ・ルカサー(g)やジョン・メデスキ(org)も懐かしかったです。
私は一時期フュージョン系もよく聴いていたのでたまにはこういうのもいいなと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(940) DIEGO GARBIN QUINTET / REFUGIO

diego garbin(tp,fgh), do de carvalho(ts,fl),
salomao soares(p), jackson silva(b), paulo almeida(ds)
2018/Blaxtream/


 1  Revoar
 2  Refugio
 3  Tonin Da Jose
 4  Rebuscando
 5  Morro Da Urca
 6  Pro Mala
 7  Popzera
 8  Bossa Nonna
 9  De Ultima Hora


ディエゴ・ガービン(tp)は初見、先週に引き続いて最近のラテン・ジャズ・サウンズを聴きました。
トランペット&テナー・サックスのフロント2管にピアノ・トリオのクインテット編成です。
この組み合わせはジャズ王道なので聴いてみたいと思いました。

全9曲は全て自身のオリジナルで占められていました。
音が出た途端、まず感じたのは「上手いなぁ〜」です。
トランペットの音色が実にクリアでまったく濁りが感じられなかった。
テナー・サックスしかり、ピアノもしかり、余りに洗練された演奏なので驚いてしまいました。
まとまり良く調和が取れている・・・曲想豊かなアレンジとアンサンブルが素晴らしいです。
ギターレスのコンテンポラリーなラテン・ジャズ・グループとはこんなに凄いのか。
ブラジルの若手クインテットの実力に圧倒された一枚です。.

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(939) TEDDY EDWARDS & HOUSTON PERSON QUINTET / CLOSEENCOUNTERS

teddy edwards(ts), houston person(ts),
stan hope(p), ray drummond(b), kenny washington(ds)
1999/HighNote/



 1  Twisted
 2  Blue And Sentimental
 3  Pennies From Heaven
 4  Night Train
 5  I Don't Stand A Ghost Of A Chance
 6  The Breeze And I
 7  Little Girl Blue


テディ・エドワーズとヒューストン・パーソンのベテラン・テナー・マン共演の作品です。
テディ・エドワーズは西海岸を中心に活躍していました。
一時期クリフォード・ブラウン(tp)&マックス・ローチ(ds)の名コンボに在籍したこともあります。
1924年生まれ2003年に78歳で亡くなっています。
テディの音色はソフトで明るくあっさりタイプです。
ヒューストン・パーソンは1934年生まれなのでテディより10歳若いです。
こちらは84歳で未だ現役なのでジャズ怪物の一人になりますね。
パーソンは本来ソウル色が強かったですがソフトなムード路線に転換して成功しました。
現在はHighNoteレーベルの看板テナー奏者でプロデューサーも兼任しています。

そんな二人のテナー・プレイが満喫できるアルバムで徳用盤です。
特に(7)「Little Girl Blue」が聴きどころで、二人のバラード奏法を聴いて欲しい。
(3)「Pennies From Heaven」の絶妙なノリにも注目しました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(938) ABELITA MATEUS QUARTET & QUINTET / MIXED FEELINGS

abelita mateus(p,vo),
romero lubambo(g), peter slavov(b), alex kautz(ds),
matt marantz(ts), phillip gillette(ds,per)
2018/Vivenda/


 1  Mixed Feeling (A.Mateus)
 2  Vamo N'Eca (A.Mateus)
 3  A Llha (Djavan)
 4  Valquiria (A.Mateus)
 5  Paizinbo (A.Mateus)
 6  Bonita (R.Gilbert/A.C.Jobim)
 7  Patience (A.Mateus)
 8  Ligia (A.C.Jobim)


アベリタ・マティウス(p,vo)は初見、流し目に惹かれてしまった。
ブラジル出身でニューヨークで活躍するピアニスト&ヴォーカリストだそうです。
現代のラテン・サウンドが如何なるものか?・・・その一端を聴くことが出来ました。

全8曲は自身のオリジナル5曲にその他3曲の構成です。
歌は(6)「Bonita」の1曲だけなのでちょっと物足りなく感じました。
その歌声はストレートで爽やかでクリアです。
ここではホメロ・ルバンボのギターが素晴らしくて、現代のラテン・サウンドには欠かせない人材です。
アベリタ・マティウスはピアニストとしてもクリアなのでこの清潔感が持ち味だと思います。
トリオで演奏されるジョビンの美しい(8)「Ligia」を聴いたらその才能に疑いがなくなります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(937) JOEL FRAHM QUARTET / CAMINHOS CRUZADOS

joel frahm(ts),
cyrus chestnut(p), dezron douglas(b), duduka da fonseca(ds)
2010/Venus/



 1  Bons Amigos
 2  Caminhos Cruzados
 3  Carinhoso
 4  Delilah
 5  Early Autumn
 6  O Cantador
 7  Flowers On The Terrace
 8  Sunshower
 9  Smoke Gets In Your Eyes
 10  Flying Over Rio
 11  Tereza My Love
 12  Waiting For Angela


私がジョエル・フラーム(ts)を買うのは2枚目になります。
なぜか前回はまったく印象に残っていません。

*JOEL FRAHM QUARTET / THE NAVIGATOR (2000/Palmetto)
joel frahm(ts), david berkman(p), scott colly(b), billy drummond(ds)

全12曲はメンバーのオリジナル2曲とラテンとスタンダード10曲の構成です。
帯中には「スタン・ゲッツの再来」とありましたが、これはちょっと違うかな。
フラームはゲッツのクールさや柔らかさや気だるさに欠けています。
でもそういうことを気にせずに聴けば案外に面白いと思いました。
もっとずっとストレートな感覚で、端正でよどみなく、歌うように吹いています。
特に高音部がいい、サックスの音色に伸びやかな美しさと爽やかさがあります。
それこそテナー・サックス奏法のお手本になるような語り口が最大の魅力です。
ちなみにジャケットに違和感を感じるのは私だけかな。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(936) FUMIO KARASHIMA / MY FAVORITE THINGS

辛島文雄(p)、
池田篤(as)(2,3,8,9)、岡崎好朗(tp)、岡崎正典(ts)
楠井五月(b)、井上陽介(b)(1,4,6)、高橋信之介(ds)
ゲスト:日野皓正(tp)(5)、渡辺香津美(g)(7,9)
2016/Pit Inn/


 1  My Favorite Things
 2  Jeannine
 3  It Might As Well Be Spring
 4  Gingerbread Boy
 5  Black Orpheus
 6  Subtle Neptune
 7  Chan's Song
 8  So Near, So Far
 9  New Bag


辛島文雄さんは名実共にカッコいい人でした。
「ジャズ・マンはカッコ良くあらねばならない」は私の持論です。
なにしろ私が若い頃はそれこそジャズ・メンは何もかも時代の先端を行ってましたから。
以前、本田竹広(p)さんのところで書いた「日本のジャズ史上最高のピアニストは誰か?」
「辛島文雄さん」と答える人も多いと思います。
長い間、日本のジャズ界を牽引してきたピアニスト辛島文雄さんが2017年2月24日に亡くなりました。
68歳という若さでした。

今作は先日、辛島文雄・トリビュート・バンドのライブ・ハウスで入手しました。
辛島さんの最後の作品になるそうです。
亡くなる1年前の吹き込み・・・こんなアルバムがあったのは知らなかったです。
作ったきっかけは長く一緒にやっていた高橋信之介(ds)との作品がなかったこと。
今作の大きな特徴は辛島さんが若い頃、ジャズに目覚めてからその時代に好きだった曲を演奏したこと。
と、本人がライナーで語っています。
共演は辛島バンドでお馴染みのメンバーとゲストは日野皓正(tp)さんと渡辺香津美(g)さんです。


辛島文雄、『マイ・フェイヴァリット・シングス』を語る

昨年の夏にがんが発覚して治療生活を続けているんでね、リーダー作を録音するなんてことは頭になかったんだよ。
みっともないものは出したくないから。
ところが自分のトリオで3年間プレイしてくれたドラマー信之介(高橋)が暮れにニューヨークから帰ってきた。
久しぶりに会って「そういえば長く一緒にやっていたのに作品が残っていないよね」という話になった。
よしそれじゃあやってみるかという気持ちが急激に高まってできたのが、この『マイ・フェイヴァリット・シングス』なんだ。
この作品の大きな特徴は一言でいうと、自分が若い頃、ジャズに目覚めてからその時代その時代で好きだった曲に絞って演奏したことだろうね。
そして編成の中心は管楽器を入れたクインテット、セクステットにしていること。
というのも自分のジャズの原点は、なんと言っても高校のときに聴いたクリフォード・ブラウン~マックス・ローチのクインテットや
マイルス・デイヴィス、キャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーンのセクステットだから。
そういう意味でいえば、流行とかセールスとか考慮せずに自分の好きなジャズを思う存分にやらせてもらったということになるんだよね。
まあ、今どき珍しいと思うよ、こういう好き勝手なアルバムを出すというのは。
ミュージシャンやスタッフ、関わってくれたすべての人に心から感謝ですよ。
かれこれレコーディングしてから3か月は経つかな。
ほとんど毎日のように聴いているけどぜんぜん飽きない。
自分の集大成・ベストな作品ができたなと思う。

(ライナーより抜粋/インタビューと構成:田中伊佐資氏)

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(935) ARI AMBROSE QUARTET / ON ANOTHER DAY

ari ambrose(ts),
joe magnarelli(tp), gary versace(org), mark ferber(ds)
2006/SteepleChase/



 1  Band
 2  Who Can I Turn To ?
 3  Clueless
 4  I Fall In Love Too Easily
 5  Samsara
 6  Never Let Me Go
 7  Vai Chegar
 8  On Another Day
 9  If I Had You


「SteepleChase」の看板テナー・サックス奏者、アリ・アンブローズの作品です。
ここはメンバーが気になりました。
アンブローズ(ts)とジョー・マグナレリ(tp)のジャズ王道のフロント2管。
同じく「SteepleChase」のハウス・ピアニスト、ゲリー・バーサスのオルガンが気になります。
才人マーク・フィーバーのドラムスがどう絡んでくるかに興味がありました。

全9曲は自身のオリジナル5曲とスタンダード4曲の構成でバランスはとれています。
オルガンをバックにしたひと味違うハード・バップ・ジャズが聴けました。
アンブローズはジョン・コルトレーン〜ファラオ・サンダースのパワフル&スピリチュアルの王道を踏襲している。
マグナレリの切れ味鋭いトランペットとアンブローズの深くて重いテナー・サックスの相性がいいです。
アンブローズの多彩な表現力は素晴らしいと思う。
残念だったのはバーサスのオルガンにベース・ラインが感じられなかったこと。
でも、その分フィーバーの多弁なドラムスが大活躍しています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(934) JOHN PIZZARELLI TRIO / FOR CENTENNIAL REASONS
: 100 Years Salute To King Cole

john pizzarelli(g,vo), mike karn(b), konrad aszkudzki(p)
2019/Ghost Light/


 1  Straighten Up And Fly Rightrit (N.Cole/I.Mills)
 2  A Hundred Years From Now (J.Pizzarelloi/J.Molaskey)
 3  The Very Thought Of You (R.Noble)
 4  Anything For You (A.Hill/C.Hopkins/B.Williams)
 5  I'm Such A Hungry Man (B.Troup)
 6  It's Only A Paper Moon (H.Arlen/Y.Harburg/B.Rose)
 7  Body And Soul (J.Green/E.Heyman)
 8  Nat King Cole (J.Pizzarelli)
 9  When I Fall In Love (E.Heyman/V.Young)
 10  Save The Bone For Henry Jones (D.Barker/M.Goldsen)
 11  Hit That Jive, Jack ! (J.Alston/C.S.Tolbert)
 12  Could-'Ja (B.Carey/C.Fischer)
 13  Red Sails In The Sunset (J.Kennedy/H.Williams)
 14  Route 66 (B.Troup)


ジョン・ピザレリ(g,vo)を久し振りに買ってみました。
調べたらなんと15年振りでした。
以前は好きでよく聴いていたので今作が15枚目のアルバムになります。
ピザレリのギターとヴォーカルは軽快さが持ち味でポピュラーな感覚もあって聴き易い。
ギターのアドリブとスキャットは抜群のスイング感です。
そのピザレリも今年で58歳、お父さんは同じギタリストのバッキー・ピザレリです。
15年間の空白にはバッキーさんの方を多く聴いていました。
バッキーさんのリズム・ギターはまさに名人芸で昔のギタリストは本当に上手いです。

今作はナット・キング・コールのトリビュート・アルバムです。
ドラムレスのピアノ、ギター、ベースのトリオ編成はナット・コール・トリオが広めました。
最近ではほとんど見かけない組み合わせもしれません。
ナット・コールは45歳で亡くなっていますが今年は生誕100周年なんですね。
ジョン・ピザレリのソフトで渋いギター・プレイと歌声を聴くことが出来ました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(933) JOEY DEFRANCESCO QUINTET / IN THE KEY OF THE UNIVERSE

joey defrancesco(org,key,tp), pharoah sanders(ts,vo),(5,6,7)
troy roberts(sax,b), billy hart(ds), sammy figueoa(per)
2019/Mack Avenue/


 1  Inner Being
 2  Vibrations In Blue
 3  A Wake And Blissed
 4  It Swung Wide Open
 5  In The Key Of The Universe
 6  The Creator Has A Master Plan (P.Sanders)
 7  And So It Is
 8  Soul Perspective
 9  A Path Through The Noise
 10  Easier To Be


ジョーイ・デフランチェスコ(org)の新譜です。
ジャケットの裏側を見た時ファラオ・サンダース(ts)の名前がちらりと見えたので決めました。
ファラオは3曲に参加していました。
デフランチェスコもマルチプレイヤーでここではオルガン、キーボード、トランペットを駆使しています。
デフランチェスコのトランぺッターとしての実力も知られているでしょうか。

全10曲は1曲を除いて全て自身のオリジナルです。
その1曲はファラオの良く知られた名曲の(6)「The Creator Has A Master Plan」です。
多分、最初からこのアルバムの方向性は決まっていたと思います。
スピリチュアルなサウンドを目指すと・・・。
それにはどうしてもファラオ・サンダースが欠かせなかった。
やっぱり(6)「The Creator Has A Master Plan」は心を打つ雄大な曲想を持っています。
これを聴いたら他の全ての曲が吹っ飛んでしまいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(932) SLIDING HAMMERS / A BEAUTIFUL FRIENDSHIP
Honoring JAY & KAI

karin hammar(tb,vo), mimmi hammar(tb,vo),
mathias algotsson(p), martin sjostedt(b), ronnie gardiner(ds)
2006/Spice Of Life/



 1  Falcon
 2  Penthouse
 3  High Sltitude Delivery
 4  The Good Life
 5  When Lights Are Low
 6  The Hammer Theme
 7  Winter
 8  Being Alive
 9  My Wedding Shoes
 10  You'd Be So Nice To Come Home To
 11  All These Days
 12  A Beautiful Friendship


私の好きな癒し系として「スライディング・ハマーズ」がいる。
トロンボーンとヴォーカルの二つが楽しめる徳用盤です。
副題の「JAY & KAI」はJJ・ジョンソンとカイ・ウインディングですね。
ご存知、2本のトロンボーンといえばこの「J&K」がよく知られています。
「スライディング・ハマーズ」はそのスタイルを踏襲しています。
ただ女性トロンボーン奏者なので繊細でやわらかな音色が特徴です。
そんなやさしい音色を聴いていると私はくつろげるんです。

ハマーズのアルバムに欠かせないのがピアノのマティアス・アルゴットソンです。
ここでも4曲を提供していてキラキラと輝くような華麗なピアノ・プレイを聴かせてくれました。
ヴォーカルは(4)、(8)、(10)の3曲で聴けました。
ベストには抜群の雰囲気を持つ(4)「The Good Life」を上げておきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(931) MARY STALLINGS / FEELIN' GOOD

mary stalling(vo),
bruce barth(p), peter washington(b), kenny washington(ds),
steve nelson(vib)(2,3,4,9), freddie hendrix(tp)(7), ray mantilla(per)(7,9)
2015/HighNote/


 1  Close Your Eyes (B.Petkere)
 2  Girl Talk (N.Hefti/B.Troup)
 3  Li'l Darling (N.Hefti)
 4  I Want To Talk About You (B.Eckstine)
 5  Feeling Good (L.Bricusse/A.Newley)
 6  Reflections (T.Monk)
 7  Night In Tunisia (J.Gillespie/F.Pararelli/J.Hendricks)
 8  Monk's Dream (T.Monk)
 9  Afro Blue (R.Santamaria)
 10  You Send Me (S,Cooke)
 11  Yesterdays (O.Harbach/J.Kern)


先日聴いたマリー・ストーリングスが気になったのでもう一枚買ってみました。
前回はバックがエリック・リード(p)でデュオかトリオだったです。
今回はブルース・バース(p)・トリオにスティーヴ・ネルソン(vib)などが加わっています。
ジャズ度が高く本格的なジャズ・ヴォーカルが聴けました。

全11曲はスタンダード中心ですがブラック系の歌が多くなりました。
選曲が良くてストーリングスのソウル&ディープな歌声が聴きどころになります。
表題曲のニーナ・シモンでヒットした(5)「Feeling Good」、サム・クックの(10)「You Send Me」など。
モンクの(6)「Reflections」や(8)「Monk's Dream」、ラテンの(9)「Afro Blue」も相当に濃いですね。
(11)「Yesterdays」はビリー・ホリディ(vo)の影を感じた。
ストーリングスは水を得た魚のように歌い込んでいるので本来この辺が得意だと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(930) DAVID LIEBMAN TRIO / CLASSIC BALLADS

david liebman(ss), vic juris(g), steve gilmore(b)
1991/Candid/



 1  Out Of Nowhere
 2  If I Should Lose You
 3  Dancing In The Dark
 4  Skylark
 5  Stella By Starlight
 6  My Funny Valentine
 7  On Green Dolphin Street
 8  Angel Eyes


デイヴ・リーブマン(ts,ss)のこのジャケットを見た時リーブマンにしては派手と思いました。
それに写真の「ナタリー」って誰だ?と思いました。
まず今作は組み合わせが面白かったです。
リーブマンはソプラノ・サックス1本で演奏していますがギター、ベースとのトリオです。
ソプラノ、ギター、ベースのトリオって聴いたことがあったかどうか、珍しいことは確かですね。

全8曲はジャズの古典的なスタンダードのクラシック・バラード集です。
トリオでじっくりとしっとりと歌い上げられていて素晴らしかったです。
ソプラノ・サックスでこれほどのバラード集はそうは聴けないのではないかな。
つくづくリーブマンは名手だと思います。
たださすがにソプラノ1本では疲れるので2、3曲のテナーが入ればもっと良かったかもしれない。

ところで「ナンシー」ですがリーブマンの義母だそうです。
ナンシーさんはジャズ好きだったそうで以前こんな曲をリクエストされたらしいです。
たしかに玄人好みのシブい選曲ではありますね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(929) AZAR LAWRENCE QUINTET / THE SEEKER

azar lawrence(ts), nicholas payton(tp),
benito gonzalez(p), essiet okon essiet(b), jeff "tain"watts(ds)
2014/Sunnyside/


 1  Gandhi
 2  Lost Tribes Of Lemuria
 3  The Seeker
 4  One More Time (B.Gonzalez)
 5  Rain Ballad
 6  Spirit Night
 7  Venus Rising


昨年私はジョン・コルトレーン(ts)の後継者を聴きたいと思いました。
コルトレーン派のテナー奏者は数多く存在するけれどコルトレーンそのもののような演奏が聴きたかった。
そして選んだのがカルロス・ガーネット(ts)であり、このエイゾー・ローレンス(ts)でした。
エイゾーの今作は地味だけど名盤に上げたいです。
それこそコルトレーン・カルテットを彷彿とさせるものでした。
ベニト・ゴンザレス(p)、エシェット・エシェット(b)、ジェフ・ワッツ(ds)は
そのまんまマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)です。
特にベニト・ゴンザレスのマッコイ・タイナー張りのピアノ・プレイは凄かった。
ひとつ新しい発見がありました。
ニコラス・ペイトンの突き抜けるような鋭いトランペットはコルトレーン・サウンドによく合います。
ここでのペイトンを聴いて欲しい。
ペイトンは何をやりたいのか?・・・今までいまいちピントが合わなかったけれどこれで納得しました。

全7曲は自身のオリジナル6曲とゴンザレスのオリジナルが1曲の構成です。
コルトレーンやスタンダードが1曲も入らないのも良かったです。
そう思わせるだけの曲想豊かなオリジナルと演奏に魅力がありました。
ライブ・アルバムですが観客の盛り上がりも最高潮です。
なぜならコルトレーン・サウンドをファンも良く知っていて安心感があるからだと思います。
多くのジャズ・ファンにとってコルトレーン・サウンドはジャズそのものだから。
私もコルトレーン・サウンドを聴きたい時があるのでその気持はよく分かります。
でもコルトレーン・カルテットそのものではダメなんですね。
コルトレーンもどきというか、似て非なるものが聴きたいんです。
ジャズ・ファンの勝手な欲求にはきりがない。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(928) ALEXIS COLE / YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
With One For All

alexis cole(vo),
eric alexander(ts), jim rotondi(tp), steve davis(tb),
david hazeltine(p), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2010/Venus/



 1  Golden Earrings
 2  I Will Wait For You
 3  Moon River
 4  Delilah
 5  Cry Me A River
 6  Alone Together
 7  A Beautiful Friendship
 8  All The Things You Are
 9  So In Love
 10  You've Changed
 11  You'd Be So Nice To Come Home To


アレクシス・コール(vo)の今作は発売時に話題になったのを覚えています。
それはエリック・アレキサンダー(ts)が中心の「ワン・フォー・オール」がバックにいたから。
近年フロント3管のレギュラー・セクステットを聴く機会は少なくなりました。
そんな中で「ワン・フォー・オール」は貴重なグループになっています。
重厚なアンサンブルをバックにアレクシスが歌い上げるとなれば注目度は十分でした。
一枚で二つが聴ける徳用盤です。

全11曲はよく知られたスタンダードが中心です。
アレクシスは大人のムードがいっぱいで貫禄のアルバムに仕上がっています。
バックのメンバーとの絡みにも注目しました。
バックがバックにだけに各ソロも充実していてジャズ度は相当に高いです。
聴きどころは多いけど、ここで一番好きな曲は(7)「A Beautiful Friendship」です。
(8)「All The Things You Are」と(10)「You've Changed」も良かった。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(927) MARY STALLINGS / DON'T LOOK BACK

mary stalling(vo), eric reed(p,arr),
reuben rogers(b)(except 3,9,10,11), carl allen(ds)(except 3,9,10,11)
2012/HighNote/


 1  When Light Are Low (B.Carter/S.Williams)
 2  The Way You Love Me (K.L.Dunham/R.Kellaway)
 3  Night Mist Blues (A.Jamal)
 4  Goodbye Medley:
Every Time We Say Goodbye (C.Poter)
Goodbye (G.Jenkins)
 5  Is That...? This Love (E.Reed/J.Luckett)
 6  Don't Look Back (K.L.Dunham/J.Mandel)
 7  Love Me Or Leave Me (W.Donaldson/G.Kahn)
 8  Don't Misunderstand (G.Parks)
 9  Key Largo (B.Carter/K.Suessdorf/L.Worth)
 10  Soul Eyes (M.Waldron)
 11  Mary's Blues (E.Reed)
 12  People Time (Forever Mine) (B.Carter/D.Pearl)


マリー・ストーリングスは初見です。
購入のキッカケはエリック・リード(p)の名前が見えたからです。
エリック・リードはウィントン・マルサリス(tp)派のピアニストで才人の一人です。
そのエリックがどんなヴォーカルのバッキングをするのか?
またエリックがバックを務めるマリー・ストーリングスとはどんな歌手なのか?
・・・興味ありました。

全12曲はエリックのオリジナルが2曲とその他10曲の構成です。
曲目を見て見るとベニー・カーター(as)、ロジャー・ケラウェイ(p)、アーマッド・ジャマル(p)、
コール・ポーター、ジョニー・マンデル、マル・ウォルドロン(p)など凝った選曲になっています。
マリー・ストーリングスはオーソドックスなジャズ・ヴォーカリストです。
伸びやかで艶のある歌声の持ち主でソウルフルでディープ&ダークな味わいもあります。
歌はもちろん上手くてバラードが聴きどころ・・・エリックとのコンビネーションも抜群でした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(926) PATTI AUSTIN / AVANT GERSHWIN

patti austin(vo),
WDR big band
2007/Rendezvous/



 1  Overture / Gershwin Medley
 2  I'll Build A Stairway To Paradise
 3  Who Cares
 4  Funny Face
 5  Love Walked In / Love Is Sweeping The Country
 6  Swanee
 7  Porgy And Bess Medley
 8  Lady Be Good


パティ・オースティン(vo)を買ったのも久し振りです。
40年以上空いてしまった。
パティのデビュー作「End Of A Rainbow」(1976)は本当に素晴らしかったです。
ここで歌われた自作の「Say You Love Me」は最高で多くの歌手にカバーされています。
最初があまりに良かったので次がつらくなった典型的なパターンになりました。

パティ・オースティンがジャズ・スタンダードに先祖帰りをしているのは知っていました。
今作はガーシュイン・ナンバーを歌った作品です。
ドイツのケルンでビック・バンドをバックに抜群のパフォーマンスを聴かせてくれました。
圧倒的な声量が会場を響きわたり聴衆も大興奮です。
これだけ声が出るジャズ・ヴォーカリストはそうはいませんよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(925) RUMER / THIS GIRL'S IN LOVE
a Bacharach & David Song book

rumer(vo),
rob shirakbari(p,b), jay bellerose(ds,per), grecco buratto(g),
julie wolf(accor), dean parks(g), tollak olstead(hca), etc
2016/East West/


 1  The Look Of Love
 2  Balance Of Nature
 3  One less Bell To Answer
 4  Are You There (With Another Girl)
 5  (They Long To Be) Close To You
 6  You'll Never Get To Heaven (If You Break My Heart)
 7  Land Of Make Believe
 8  A House Is Not A Home
 9  Walk On By
 10  The Last One To Be Loved
 11  This Girl's In Love With You
 12  What The World Needs Now Is Love


ルーマー(vo)は初見です。
パキスタン・イスラマバード出身のイギリスのシンガーソングライターだそうです。
購入のきっかけはバート・バカラック&ハル・デヴィッド作品集だからに決まっています。
ジャズ・ヴォーカルの世界でもバカラックの歌はスタンダード化していてカバーしている歌手も多いですね。
ただバカラック作品集となるとそうは多くないような気がする。
1枚で色々聴けたらいいなと思いました。

全12曲は馴染みのある曲、馴染みのない曲があったけどバカラックの世界が詰まっていました。
ルーマーの歌声はとてもやわらかくてやさしくて美しいです。
バックもギター・ハーモニカ、ストリングスなどアコースティックな味わいで郷愁を誘うというか心に沁みます。
ある意味カーペンターズを彷彿とさせるけどそれはしょうがないですね。
ジャズ度は低いけど究極の癒し系でお勧めします。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(924) FRED BUCCINI / UNUSUAL NAT

fabrizio fred buccini(vo),
nerio poggi(arr,key), ely bruna(vo),
fabrizio foggia(p)(6,7,10,12), alfredo bochicchio(g)(2,3,5,7,9,11),
pierpaolo ranieri(b)(1,5,6,7,9), alessandro pizzonia(ds)(2,4,7),
federico buccini(per), fabio tullio(ts), massimo guerra(tp), etc
2011/IRMA/



 1  I Love You For Sentimental Reasons
 2  Unforgettable
 3  Marnie
 4  Almost Like Being In Love
 5  Atraighten Up And Fly Right
 6  Let There Be Love
 7  You Stepped Out Of A Dream
 8  L-O-V-E
 9  Smile
 10  Don't Get Around Much Anymore
 11  Why I Love
 12  Answer Me, My Love


先日フラリと入ったスーパーで流れていました。
最近は色んな場所でジャズが聴けるので嬉しいです。
男性ヴォーカルは珍しいので気になりました。
流れていた曲は「I Love You Sentimental Reasons」でした。
早速、スマホの曲目検索アプリで検索すると上記のアルバム名が出てきました。
ホントに便利なアプリがあるもんですね。
フレッド・ブッチーニは初見、イタリアのヴォーカリストでした。
ジャケットは見たことがあるので発売時にチェックしてそのままになったアルバムだと思います。

全12曲はスタンダードで「ナット・キング・コールに捧げる」形になっています。
ナット・コールは多くの男性ヴォーカリストのお手本、古典になっていますね。
フランク・シナトラ同様にほとんどのスタンダードが網羅されているのお手本にするにはピッタリです。
たしかにブッチーニはナット・コールに似ています。
歌声はシブく深く、しっとりと落ち着いた大人の雰囲気で中々良いです。
男性ヴォーカルはあまり聴く機会がないけれど久々にジャズ・ヴォーカルの王道を聴いた感じがします。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(923) MAISHA / THERE IS A PLACE

jake long(ds), nubya garcia(sax,fl), shirley tetteh(g), amane suganami(p),
twn dylan(b), tim doyle(per), yahael camara-onono(per),
strings, etc
2018/Brownswood/

 1  Osiris
 2  Azure
 3  Eaglehurst / The Palace
 4  Kaa
 5  There Is A Place


マイシャは新世代UKジャズ・シーンを牽引する今最も注目を集めるグループらしい。
往年のスピリチュアル・ジャズとアフロ・ビートやアフリカン・リズムを融合させるとあった。
期待を持って1曲目を聴いてみました。
ジョン・コルトレーン〜ファラオ・サンダースを踏襲しているけどバックのリズムに特徴がありました。
パーカッションが2人とトランペット、ハープを含むストリングスが分厚いリズムを刻みます。
ただジャズの持つフリーな展開は?なので計算されたバック・サウンズと言えるかもしれないです。

全5曲は全てオリジナルで占められています。
リーダーはジェイク・ロング(ds)でバタバタとしたノスタルジックなドラミングが面白いです。
女性サックス&フルート奏者のヌビア・ガルシアとアマネ・スガナミ(p)、シャーリー・テテー(g)にも注目しました。
どの曲も聴きどころですがやはり1曲目の「Osiris」は12分近い長丁場でインパクトがありました。
何重にも絡み合う分厚いアンサンブルがどこまでも広がっていく。
洗練されたアフロ・ビートと激しく煽るストリングスのバッキングが新鮮です。
そういえば今までこういうジャズ・サウンドは聴いたことがなかったかもしれません。
この点でジャズの新しい方向性を表した一枚かも知れません。
これを聴いて遅ればせながらカマシ・ワシントン(ts)も聴いてみようかと思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(922) RITA REYS / THAT OLD FEELING
With Pim Jacobs Trio & Johnny Griffin

rita reys(vo),
pim jacobs(p), ruud jacobs(b), peter ypma(ds),
johnny griffin(ts)
1979Rec/CBS/



 1  Too Marvelous For Words
 2  Fly Me To The Moon
 3  Poor Butterfly
 4  My Foolish Heart
 5  Mr. Wonderful
 6  That Old Feeling
 7  Over The Rainbow
 8  Remember
 9  Everything Happens To Me
 10  Isn't It Romantic
 11  The Touch Of Your Lips Yes I Do


今作もまた昨年の「ベスト3」に上がっていた一枚です。
リタ・ライス(vo)とピム・ヤコブス(p)はご夫婦で、それにジョニー・グリフィン(ts)が加わっています。
グリフィンのヴォーカルのバックを聴くのは初めてかもしれないので興味がありました。
予想としては「けっこうゴリゴリ吹いているんだろうな」と思っていました。
リトル・ジャイアントのグリフィンは止まらない。

ところがファ〜と柔らかく出てきたので予想は見事に外れました。
全体を通してここでのグリフィンのバッキングが素晴らしいです。
ゆったりと落ち着いていて色気も十分に感じさせました。
グリフィンはこんな演奏も出来るのかと新たな一面を聴かせてもらいました。
リタ・ライスの艶やかな歌声とピム・ヤコブスの流麗なピアノも申し分ありません。
どれもいいけどベストには(1)「Too Marvelous For Words」を上げておきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(921) BUSTER WILLIAMS QUARTET / AUDACITY

buster williams(b),
steve wilson(as,ss), george colligan(p), lenny white(ds)
2018/Smoke Sessions/


 1  Where Giants Dwell (B.Williams)
 2  Song Of The Outcasts (B.Williams)
 3  Sisko (S.Wilson)
 4  Ariana Anai (B.Williams)
 5  Lost On 4th Avenue (G.Colligan)
 6  Atumblin' (L.White)
 7  Triumph (B.Williams)
 8  Briana (B.Williams)
 9  Audacity (B.Williams)


バスター・ウィリアムス(b)の今作は昨年のベスト3にも上がっていた一枚です。
私も気になっていたんですがようやく入手しました。
バスター・ウィリアムスは現在76歳で幅広い音楽性を持つベーシストです。
またヴォーカリストのバッキングも上手く、加えて今作では作曲者としての才能も認めました。
私がベーシストとしてのバスターを意識したのは「ジャズ・クルセイダーズ」が最初です。

全9曲は自身のオリジナル6曲とメンバーのオリジナル3曲の構成です。
このメンバーでスタンダードが1曲も入っていないのは珍しいと思います。
共演がスティーヴ・ウィルソン(sax)、ジョージ・コリガン(p)、レニー・ホワイト(ds)というのも興味ありました。
スティーヴ・ウィルソンは「OTB」、「チック・コリア&オリジン」出身のサックス奏者です。
正直今まではちょっと線が細いかと思ってたけど今作を聴いて考えを改めました。
スティーヴのベスト・プレイが詰まっていた・・・やっぱりチックが見込んだ通りの実力者だったです。
コリガンとホワイトもさすがのプレイを聴かせているのでバスター晩年のベスト・アルバムになるかも。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(920) SALLY NIGHT / BALLADS FOR YOU

sally night(vo),
jon davis(p), dezron douglas(b), willie Jones 3(ds),
romero lubambo(g)
2012/Venus/



 1  More Than You Know
 2  It Amazes Me
 3  Everything I've Got Belongs To You
 4  In Love In Vain
 5  Fascinating Star
 6  Everything Happens To Me
 7  Good Morning Heartache
 8  I Hadn't Anyone Till You
 9  London By Night Is A Wonderful Sight
 10  Medley : Close To You〜The Shadow Of Your Smile
〜It's Impossible
 11  Prelude To A Kiss
 12  Round Midnight
 13  Blame It On My Youth
 14  Speak Low
 15  Yes I Do


今年はヴォーカル・アルバムを多く聴きたいと思っています。
ただ意識的にヴォーカルを聴くといってもいったい誰を聴けばいいんだ?
当然の疑問が湧いてきた。
手当たり次第に聴くという方法もあるけれどもっと絞り切れないものかと考えた。
スタンダード中心の日本製作盤は日本人好みのヴォーカリストが選ばれているのではないか。
元々私にはその傾向があったけど、改めてその辺から聴いてみようと思いました。

サリー・ナイトは初見、「バラード・フォー・ユー」の題名も良かった。
「More Than You Know」、「Everything Happens To Me」、「Good Morning Heartache」、
「Close To You」などの好きな曲も入っていた。
1曲目を聴いてビリー・ホリディ(vo)に似ていると思いました。
多くのヴォーカリスト同様にサリーもまたビリー・ホリディがルーツなんだろうね。
サリーの一番の長所は丁寧にキッチリと歌っているところだと思います。
声質は深く濃い感じでジャズ度が高い歌唱法です。
あんまり馴染みのない曲も聴きどころでシブい歌声に私はけっこうハマりました。
バック・ミュージシャンは地味系ですが名手が揃っていて歌手の良さを引き出しています。
ジョン・デイヴィスの美しくしっとりとしたピアノが心に響く。
またブラジル出身のホメロ・ルバンボのギター・ワークも素晴らしいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(919) SIMONE KOPMAJER / SPOTLIGHT ON JAZZ

simone kopmajer(vo),
terry myers(ts,cl), martin spitzer(g),
paul urbanek(p), karl sayer(b), reinhardt winkler(ds)
2018/Lucky Mojo/


 1  Spotright (S.Kopmajer/K.Tuerk)
 2  Pennies From Heaven (A.Johnston/J.Burke)
 3  You Don't Call Me (P.Urbanek/K.tuerk)
 4  Mighty Tender Love (S.Kopmajer)
 5  Poinciana (N.Somom/B.Bernier)
 6  Dig That Riff (P.Urbanek/K.tuerk)
 7  Remember Jeannie (S.Kopmajer/K.Tuerk)
 8  Struttin' With Some Barbecue (L.H.Armstrong/D.Raye)
 9  Exactly Like You (J.Mchugh/D.Fields)
 10  A Gift From Buddy (T.Meyers/S.Kopmajer)
 11  Stompin' At The Savoy (B.Goodman/C.Webb/E.Sampson/A.Razaf)
 12  We're Goin' In (T.Meyers/S.Kopmajer)
 13  Mood Indigo (D.Ellington/B.Bigard)


ちょっと前に聴いたシモーネ(vo)が良かったので新譜も買ってみました。
まぁ、そうしたら私の好みにピッタリのアルバムなので驚いてしまいました。
ノスタルジックな雰囲気満点でシモーネさんはこんな歌い方も出来るんですね。
もう毎日何回も聴いています。
ジャケットのマイクを見るだけでもその雰囲気が伝わると思います。

全13曲は自身のオリジナル5曲とその他8曲の構成です。
シモーネさんは作曲も作詞もします・・・こんなに才能があるとは思わなかったです。
1曲目の「Spotright」が凄い・・・「あ〜、いいなぁ〜」・・・一発で魅了されてしまいました。
続く2曲目「Pennies From Heaven」で早くもノックアウトされてしまった。
ラテンの名曲(5)「Poinciana」も美しい曲で大好きです。
古典的な「Exactly Like You」、「Stompin' At Savoy」、「Mood Indigo」なども選曲されています。
抜群のノリのテリー・メイヤーズ・クインテットをバックに素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
去年ヴォーカルに目覚めたばかりの私にビギナーズラックがあったような気がします。
大大大好きなアルバムに出会いました。
今年初めて聴いた新譜がいきなりベスト3候補とは「こいつは春から縁起がいいわえ」。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(918) PAT BIANCHI TRIO / IN THE MOMENT

pat bianchi(org), paul bollenback(g), byron landham(ds),
guest:peter bernstein(g)(2), carmen intorre jr(ds)(1,4,9,10),
joe lock(vib)(1,9,10), kevin mahogany(vo)(8), pat martino(g)(4)
2018/Savant/


 1  Humpty Dumpty (C.Corea)
 2  Blue Gardenia (R.Russell/L.Lee)
 3  Don't You Worry 'Bout A Thing (S.Wonder)
 4  Mr.PM (P.Bianchi)
 5  Barracudas (M.Davis/G.Evans)
 6  Crazy (W.Nelson)
 7  No Expectations (P.Bianchi)
 8  I Want To Talk About You (B.Eckstine)
 9  Fall (W.Shoter)
 10  Four In One (T.Monk)


期待のオルガン奏者、パット・ビアンチの作品です。
最近、ビアンチの名前をあちこちで見るようになりました。
ジョーイ・デフランチェスコ以降オルガン奏者の大物は出ていないと思います。
久々に現れたオルガン奏者の大物かも知れませんよ。
それも新しいタイプのオルガン奏者でソウル&ファンキーとは違うピアノ的オルガンの手法です。
この系統にはもう一人マイク・ルドンがいますが両者共にピアノとの両刀遣いです。
つまりオルガンはすでにこの方向に向かっていると思われます。
たしかにいつまでもジミー・スミスやジャック・マクダフじゃないということですね。

全10曲は自身のオリジナル2曲とその他8曲の構成です。
チック・コリア、レオン・ラッセル、ステービー・ワンダー、マイルス・デイビス、
ウィリー・ネルソン、ビリー・エクスタイン、ウェイン・ショーター、セロニアス・モンクが選ばれました。
この幅広い音楽性を見たら明らかにオルガン盤としては異色の選曲です。
つまりビアンチは今までのオルガン奏者とは一線を画しているということです。
ポール・ボーレンバック、ピーター・バーンステイン、パット・マルティーノの3人のギタリストが聴けます。
聴きどころは多いけどスティービーの(3)はハマった、ケヴィン・マホガニーの(8)も良かったです。
この新しいタイプのオルガン奏者がどうなっていくのか・・・見守っていきたいと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(917) STANLEY TURRENTINE QUARTET & QUINTET / MORE THAN A MOOD

stanley turrentine(ts), freddie hubbard(tp,flh)(1,7),
cedar walton(p), ron carter(b), billy higgins(ds)
1992Rec/Musicmaster/



 1  Thomasville
 2  They Can't Take That Away From Me
 3  In A Sentimental Mood
 4  Easy Walker
 5  Triste
 6  Pieces Of Dreams
 7  Spirits Up Above
 8  More Than A Mood


スタンリー・タレンティン(ts)には「Musicmaster・レーベル」に3枚のアルバムがあります。

■STANLEY TURRENTINE QUARTET & QUINTET / MORE THAN A MOOD (1992)
■STANLEY TURRENTINE SEXTET / IF I COULD (1993) (紹介済)
■STANLEY TURRENTINE QUINTET / T TIME (1995)(紹介済)

今作で3枚の紹介が終了しました。
今作の目玉はもちろんフレディ・ハバード(tp)の参加にあります。
バックにはシダー・ウォルトン(p)、ロン・カーター(b)、ビリー・ヒギンス(ds)が名を連ねました。
当時としてはほぼ完璧なメンバーと言えます・・・特にウォルトンが聴きどころになりました。

全8曲は自身のオリジナルはなく、ハバード参加の2曲がハバード自身の曲になっています。
ハバード参加が2曲だけとは寂しいですが病み上がりなので出来はいまひとつと見ました。
ハバードは80年代の初めから90年代初めまでの10年間をほぼ棒に振りました。
体調不良と唇を痛めたためです。
もしもハバードが元気で活躍していたら世界のジャズ・トランぺッターの景色は変わっていました。
ハバードにはそれだけの実績があったし時代をになうリーダーとして認められていました。
これは本当に残念だったです。
90年代初めにはカムバックしましたが順調ではなかったような気がします。
今作はカムバックした頃の貴重なアルバムの一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(916) SIMONE WITH ROMANTIC JAZZ TRIO / ROMANCE

simone(vo),
john di martino(p), george mraz(b), tim horner(ds),
eric alexander(ts)(3,4,9)
2004/Venus/



 1  How Do You Keep The Music Playing
 2  A Blossom Fell
 3  We Kiss In A Shadow
 4  Calling You
 5  Whatever Happens
 6  Exactly Like You
 7  Someone To Light Up My Life
 8  A Time For Love
 9  Where Or When
 10  Just Squeeze Me
 11  Whateve Happens (reprise)


シモーネ(vo)のヴィーナス・レーベル2枚目のアルバムです。
共演はジョン・ディ・マルティーノ・トリオと3曲にエリック・アレキサンダー(ts)が参加しています。
声質はちょっとかすれたセクシーな感じでその歌声は心に沁みます。
前作では息継ぎが気になったのでこちらの方が数段良いと思います。

全10曲は全てスタンダードで占められています。
エリックは(3)、(4)、(9)に参加してますが、やはりサックスが入るとひと味違います。
(7)「Someone To Light Up My Life」と(8)「A Time For Love」のバラードが聴きどころ。
また(6)「Exactly Like You」や(10)「Just Squeeze Me」のスロー・テンポが新鮮でした。
普通は軽快なテンポで歌われることが多いから。
ベストはホリー・コールの歌でヒットした(4)「Calling You」です。
ホリーとはまったく違う雰囲気を持っていて面白かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(915) PETRA VAN NUIS / BECAUSE WE'RE NIGHT PEOPLE

petra van nuis(vo), dennis luxion(p)
2018/Muzak/


 1  Street Of Dream (V.Young)
 2  Night People (T.Wolf)
 3  The Piano Player (M.d'ambrosio)
 4  Moonlight Saving Time (H.Richman)
 5  You And The Night And The Music (A Schwartz)
 6  While My Lover Sleeps (B.Kaper)
 7  Small Day Tomorrow (B.Dorough)
 8  Dreamsville (H.Mancini)
 9  No Moon At All (D.Mann)
 10  The Night WE Called It A Day (M.Dennis)
 11  Shadow Of Paris (H.Mancini)
 12  Black Coffee (S Burke)
 13  Count Your Blessing Instead Of Sleep (I.Berlin)


ペトラ・ヴァン・ナウスは初見、ジャケ買い、CDショップで目に付いたので手が伸びました。
デニス・ラクション(p)とのデュオ・アルバム・・・その結果は当たりです。
帯中には「真夜中の甘い囁き、アフター・アワーズに聴きたいジャズ・ヴォーカル」とあった。

全13曲のスタンダード作品集です。
選曲がかなり凝っていて何曲かの有名曲もあるけれど馴染みのない曲が多く入っていました。
あんまり聴いたことがない曲が多いというのはとても新鮮に聴こえます。
歌は上手いし声はキレイ、落ち着いていてシットリとしたアルバムに仕上がっています。
ピアノとのデュオだとヴォーカリストの実力がそのまま出てきます。
看板に偽りなし・・・たしかに真夜中にひっそりと聴いたら最高だろうと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(914) JANE MONHEIT / TAKING A CHANCE ON LOVE

jane monheit(vo),
jeoff keezer(p)(1,2,9), chrisian mcbride(b)(1,2,9), lewis nash(ds)(1,2,5,9),
michael kanan(p)(3,4,6,7), orlando le fleming(b)(3,6,7), rick montalbano(ds)(3,6,7),
donald harrion(as)(3), bob mounsey(p)(5), ron carter(b)(5), joel frahm(ss,ts)(6,9),
miles okazaki(g)(3,7), michael buble(vo)(5), etc
2004/Sony/



 1  Honeysuckle Rose
 2  In The Still Of The Night
 3  Taking A Chance On Love
 4  Bill
 5  I Won't Dance
 6  Too Late Now
 7  Why Can't You Behave ?
 8  Do I Love You ?
 9  Love Me Or Leave Me
 10  Embraceable You
 11  Dancing In Dark
 12  Over The Rainbow


今作はジェーン・モンハイトの代表作と目されている一枚らしい。
モンハイトは好きな女性ヴォーカリストの一人です。
女性らしい美しく伸びやかな美声の持ち主で密やかな歌い方もいいです。

評判通り、全12曲のスタンダード作品集は素晴らしい出来栄えです。
ベストは黒人ヴォーカル・グループのヒット曲の(2)「In The Still Of The Night」です。
続いては最もジャズっぽいノリを聴かせる(3)「Taking A Chance On Love」、
マイケル・ブーブレとのデュオの(5)「I Won't Dance」も良かった。
(11)「Dancing In The Dark」と(12)「Over The Rainbow」のバラードも聴きどころになりました。
本当にこの人は声がキレイだと思います、もちろん歌も上手いけど一番は声が好みです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(913) DAVE O'HIGGINS TRIO + MAX IONATA / TENORS OF OUR TIME

dave o'higgins(ts)(right), max ionata(ts)(left)
ross stanley(org), luca santaniello(ds)
2018/Albore/


 1  Fourplay (J.Williams)
 2  Satosong (M.Ionata)
 3  Lady Face (D.O'higgins)
 4  Donna (G.Kramer)
 5  Medication (D.O'higgins)
 6  Song For Cape Town (D.O'higgins)
 7  The Eternal Triangle (S.Stitt)
 8  The Enigma Of The Day (D.O'higgins)
 9  You're Nicked (D.O'higgins)
 10  Rainy Day (M.Ionata)


イギリスのデイブ・オ・ヒギンス(ts)は初見、イタリアのマックス・イオナータ(ts)は一時期よく聴いてました。
CDショップで見た時、テナー奏者が率いるオルガン・トリオに興味津々ですぐに購入を決めました。
オルガンをバックにした2テナー・バトルならテナー好きにはたまりませんよ。
ヒギンスが右チャンネル、イオナータが左チャンネルと書いてくれているのも親切ですね。

全10曲は二人のオリジナルが7曲とその他3曲の構成です。
その他の3曲にはジェームス・ウィリアムス(p)(1)とソニー・スティット(as,ts)(7)が選ばれました。
(4)「Donna」はイタリアの古い曲です。
内容は思ったよりずっと大人しくて、オルガン入りとしてはスマートな演奏です。
もう少し激しいバトルを予想していたので迫力はいまひとつ・・・抑えのきいたクールな競演でした。
二人のコンビネーションが良くて各曲におけるテーマの2テナーのユニゾンが心に残ります。
ヒギンス作の(5)「Medication」をベストに上げたいと思います。
アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「Meditation」のパクリみたいな曲だけど・・・。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(912) JOE BECK TRIO / BRAZILIAN DREAMIN'

joe beck(g), ira coleman(b), thierry arpino(ds)
guest:gregoire maret(harm)
2006/Venus/



 1  Vivo Sonhando
 2  Manha De Carnaval
 3  Aquarius
 4  O Grande Amor
 5  Felicidade
 6  And Here's To You
 7  Brazil
 8  Ela E Carioca
 9  Falando De Amor
 10  Zanzibar
 11  Giant Steps
 12  What Would I Do Without You ?


先週のジョン・トロペイ(g)に続いて今週もフュージョン系ギタリストのジョー・ベックです。
ベックのボサノバ盤は発売時にも興味があったけどなぜかそのまま忘れていました。
ベックの同レーベルを買うのはこれで3枚目になります。

*JOE BECK TRIO / GIRL TALK (Venus/2003)
*JOE BECK TRIO / STRANGERS IN THE NIGHT (Venus/1999)

フュージョン・シーンの中心にいたのは何でも出来るスタジオ・ミュージシャン達でした。
ベックもその例にもれず幅広い音楽性を持っていたので、それが時代にマッチしました。
本来、フュージョン系ギタリストはラテン・サウンドを得意にしています。
ベックはボサノバの名曲を水を得た魚のように伸び伸びと演奏しています。
その音色は美しく独特の広がりと色気がある。

ゲストのハーモニカ奏者のグレゴワール・マレーはパット・メセニー(g)・グループのメンバーでした。
ハーモニカ入りは(6)と(9)の2曲・・・その音色は哀愁を帯びてなんか切ない感じになります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(911) JOHN TROPEA / A SIMPLE WAY TO SAY "I LOVE YOU"

john tropea(g), will lee(b), ralph macdonald(per),
ricky peterson(key)、steve gadd(ds), lalah hathaway(vo), etc
1997/San Tropea/



 1  The Messengers
 2  Trope'a Dope
 3  Change The World
 4  Side Show
 5  Funky Duck
 6  Cain't Dance
 7  A Simple Way To Say I Love You
 8  Willy T
 9  I Want You
 10  The Beauty In You


ジョン・トロペイもフュージョン・シーンの人気ギタリストでした。
今作は12年振りのリーダー作ということと印象的なジャケットで話題になりました。
ウィル・リー(b)、ラルフ・マクドナルド(per)、リッキー・ピーターソン(key)、スティーヴ・ガッド(ds)、
トム・スコット(sax)、ジョージ・ヤング(sax)、レイラ・ハサウェイ(vo)の名前が見えます。

全10曲は自身のオリジナル6曲とその他4曲の構成です。
マーヴィン・ゲイで大ヒットした(9)「I Want You」は官能的な曲で好きだったです。
ゴキゲンなフュージョン・サウンドなので昼下がりのコーヒー・タイムに聴きたい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(910) BENNY GREEN QUINTET / THEN AND NOW

benny green(p), david wong(b), kenny washington(ds),
anne drummond(fl), josh jones(per), veronica swift(vo)
2018/Sunnyside/


 1  Donny Hath A Way (B.Green)
 2  For Regulars Only (D.Gordon)
 3  Latin America (C.Walton)
 4  Naturally (B.Green)
 5  MInor Contention (H.Jones)
 6  Enchanted Forest (B.Green)
 7  Split Kick (H.Silver)
 8  Say You're Mine (D.Pearson)
 9  Humphrey (B.Green)
 10  Hipsippy Blues (H.Mobley)
 11  Something I Dreamsd Last Night (S.Fain)
 12  Wiggin' (B.Green)


ベニー・グリーン(p)を買うのも久し振りで調べたら15年も間が空いてました。
15年前のアルバムはラッセル・マローン(g)とのデュオでしたがつい最近だったような気がします。
「え〜、もうそんなになるのか」と、つくづく時間が経つのが早いと感じました。
ジャケットはベニーが少年だった時の写真ですね。
購入のキッカケはパーカッションとヴォーカル入り・・・グリーンのラテンなら聴いてみたい。

全12曲は自身のオリジナルが5曲とその他7曲の構成です。
デクスター・ゴードン(ts)、シダー・ウォルトン(p)、ハンク・ジョーンズ(p)、ホレス・シルバー(p)、
デューク・ピアソン(p)、ハンク・モブレイ(ts)などの名前が見えました。
元々がハード・バップ・ピアニストとしてデビューしたベニーには納得のラインナップだと思います。
新味で面白かったのはヴォーカリストを楽器のように使っていたことです。
バック・グランド効果として使うのではなくてスキャットをそのまま前面に出していました。
もちろん、ヴォーカルをそのまま歌わせる場面もあります。
聴きどころはそのスキャットの(2)、(7)、(9)と(1)、(3)のラテン・リズムになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(909) ERIC ALEXANDER NEW YORK ALL-STARS / BURNIN' IN LONDON

eric alexander(ts),
harold mabern(p), darryl hall(b), bernd reiter(ds)
2018/Ubuntu/


 1  Almost Like Being In Love (F.Lowe)
 2  I Could Have Danced All Night (F.Lowe)
 3  Nightlife In Tokyo (H.Mebern)
 4  It's Magic (J.Styne)
 5  The Night Has A Thousand Eyes (J.Brainin)
 6  Summertime (G.Gershwin)


エリック・アレキサンダー(ts)は収集対象なので名前を見れば必ずチェックします。
それで現在エリックは手持ちCDの中で数が一番多くなった。
エリックは自己名義の他に「One For All」や「Reeds & Deeds」の作品もある。
またエリックは多作家なのでが共演盤やゲスト参加したCDも数多く存在しています。
いったいどれだけあるのか?・・・とても追いかけ切れないしその根気も失せている。
ちなみにLPではジェリー・マリガン(bs)だったけど近年はまったく聴いていません。
聞くところによると小さい頃から何かを集めたがるのは男の習性らしい。

全6曲はハロルド・メイバーン(p)作の1曲を除いてスタンダード5曲の構成です。
意外だと思った選曲は(2)「I Could Have Danced All Night」(邦題:踊り明かそう)です。
御存知ミュージカル映画の「マイ・フェア・レディ」の1曲だけど近年で選ばれることは少ないと思う。
それもヴォーカルならともかくインストでは珍しいですね。

メイバーンとエリックの関係は長くて、エリックのシカゴ時代の初リーダー・アルバムまでさかのぼります。
今までずっと師弟関係が続いているわけです。
メイバーンはすでに80歳を超えてますが相変わらずのパワフルでエネルギッシュなピアノを聴かせてくれます。
時に情緒に欠けることもあるけれど元気をもらえることも確かです。
ベースのダリル・ホールはアメリカ生まれですが現在はフランスのパリで活躍中です。
ドラムスのベルンド・レイターはオーストリア出身でエリックとの共演盤があります。

ところで表題が「New York All-Stars」になってるんだけど意味不明です。
「どこが〜?」とついツッコミたくなりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(908) BOZ SCAGGS / BUT BEAUTIFUL

boz scaggs(vo),
paul nagel(p), john shifflett(b), jason lewis(ds)、
eric crystal(sax)
2003/Gray Cat/



 1  What's New ?
 2  Never Let Me Go
 3  How Long Has This Been Going On ?
 4  Sophisticated Lady
 5  But Beautiful
 6  Bewithed, Bothered And Bewildered
 7  Easy Living
 8  I Should Care
 9  You Don't Know What Love Is
 10  For All We Know
 11  My Funny Valentine


ボズ・スキャッグスは1970年代のクロスオーバー・シーンに登場したヴォーカリストです。
日本でAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)というジャンルを確立した人気歌手の一人です。
1976年に出したアルバム「Silk Degrees」は大いに話題にもなったので私も買いました。
その中で歌われた自身のオリジナルの「We're All Alone」は大ヒットを記録しています。
現在でも多くの歌手にカバーされている名曲です。

今作は珠玉のジャズ・バラード集・・・全11曲は全てスタンダードで占められています。
多くの歌手が年齢を経てある程度の実力が備わってくるとスタンダードを歌いたくなる傾向にあります。
ジャズに近いところに居た人なので違和感がないけれどスキャッグスもまた例外ではなかった。
スキャッグスらしくムード溢れるメロウなヴォーカルとサウンドを聴かせてくれました。
私的ベストはじっくりと歌い上げられた(8)「I Should Care」です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(907) KATO SHINICHI & SHIMIZU ERIKO DUO / DOUBLE AXES

加藤真一(b)、清水絵理子(p)
2018/F.S.L/


 1  Parisian Thoroughfare (B Powell)
 2  Loose Bloose (B.Evans)
 3  Sabia (A.C.Jobim)
 4  Retrato Em Branco E Preto (C.Busrque)
 5  Tenderly (W.Gross)
 6  You Must Believe In Spring (M.Legrand)
 7  Come Sundy (D.Ellington)
 8  We'll Be Together Again (C.Fischer)
 9  For You (K.Shinichi)


先日、久々に清水絵理子(p)さんを見る機会がありました。
「7、8年ぶりか、いや10年ぶりじゃないの」なんて会話が出るほど間が空いてしまった。
以前はボーカルのバックはもちろん、竹内直(ts,bcl)さんや峰厚介(ts)さんのグループでよく聴いてたんだけど。
一番最初に感じたのは音に凄みが出ていたこと、貫禄が付いて姉御風になっていたことです。
元々がアグレッシブなピアノを弾いていたけど年を経て、よりエネルギッシュでパワフルな音になってました。
共演の加藤真一(b)さんは幅広い音楽性を持つ実力者で「何でも来い」のベーシストとして知られています。
それこそ超が付くほどの売れっ子ベーシストです。
そんな二人のデュオ盤が今作です、エリッチョから手渡しで入手しました。

全9曲は加藤さんの1曲を除いて全てスタンダードの構成です。
見てみると興味深い作曲者と色んな曲調の曲が網羅されていて選曲が面白いです。
現在の二人の全てを聴いてもらおうという狙いがあるように思います。
清水さんは速い曲には定評があるのでスローな曲が聴きどころになりました。
私的ベストはジョビンの(3)「Sabia」で加藤さんとのコンビネーションが素晴らしかった。
エヴァンスの(2)「Loose Bloose」の音遣いや(5)「Tenderly」のスイング感も心地良かったです。
唯一のオリジナルの(9)「For You」では加藤さんのアルコ・プレイが美しいです。
加えて特筆すべきは録音が素晴らしいことでオーディオ・ファンにもお勧め出来ます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(906) MARILYN SCOTT / EVERY TIME WE SAY GOODBYE

marilyn scott(vo),
cyrus chestnut(p), gerald cannon(b), willie jones V(ds)、
paul bollenback(g), ken peplowski(ts,cl)
2008/Venus/



 1  Every Time We Say Goodbye
 2  I Got Lost In His Arms
 3  Lonely Town
 4  Detour Ahead
 5  Do You Know The Way To San Jose ?
 6  Autumn In New York
 7  I Love Paris
 8  Cry Me A River
 9  Caravan
 10  Somewhere


私は癒し系ジャズを選ぶ時に日本制作盤を選ぶ傾向にあります。
スタンダードが中心で聴き易く「絶対に間違いない」との安心感があるからです。
日本人としての感性が同じで日本人向けのジャズを作ることに何の疑問も抱いていません。
まぁね、色んな意見もあるけれど、いつの時代も「買う買わない」は聴く人の勝手だから。

さて今作のマリリン・スコット(vo)は初見です。
アメリカの西海岸を中心に活躍しているフュージョン系の歌手だそうです。
これまでのアルバムの大半はジョージ・デューク(p)がプロデュースとありました。
録音時は60歳近いですがしっかりと声が出ています。
ちょっとかすれたハスキー・ボイスで大人の女性の歌声、もちろん歌は上手いです。
ピアノにサイラス・チェスナット、テナー・サックスにケン・ぺプロウスキーが参加していて楽しめました。
特に(1)「Every Time We Say Goodbye」は大好きな歌でこれが入っているとまず手が伸びてしまう。
コール・ポーターが書いた曲は多いけどヴォーカリストに一番好まれると聞いたことがある。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(905) AZAR LAWRENCE & AL McLEAN QUINTET / FRONTIERS

azar lawrence(ts), al mclean(ts),
paul shrofel(p), adrian vedady(b), greg ritchie(ds)
2016/Celler Live/


 1  Mystic Journey (A.Lawrence)
 2  Lonnie's Lament (J.Coltrane)
 3  Ruby My Dear (T.Monk)
 4  Spilit Night (A.Lawrence)
 5  Get Up (A.Mclean)
 6  'Round Midnight (T.Monk)
 7  Up Jump Spring (F.Hubbard)


何ヶ月か前に聴いたエイゾー・ローレンス(ts)の新譜が良かったのでさかのぼって聴いています。
今作はそんな中の一枚でカナダのアル・マクリーン(ts)との2テナーのクインテット編成です。
今時こんなストレートなテナー・バトルはほとんど聴けないと思う。
両者の真っ向勝負が気持良くて、古き良き時代を彷彿とさせるものでした。

全7曲は二人のオリジナルが3曲とその他4曲の構成です。
ジョン・コルトレーン(ts)、フレディ・ハバード(tp)が各1曲とセロニアス・モンク(p)が2曲選曲されました。
二人が師と仰ぐコルトレーンの(2){Lonnie's Lament」は16分を超す長丁場です。
どの曲も聴きどころは十分で2テナー・バトルの名盤の一枚に上げたいと思います。
一見モノトーンの地味なジャケットなので見逃してしまいそうだけど中身は相当に熱く濃いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(904) DAVID "FATHEAD" NEWMAN QUARTET & QUINTET / SONG FOR THE NEW MAN

david newman(ts,fl), curtis fuller(tb)(except 2,4,5),
john hicks(p), john menegon(b), jimmy cobb(ds)
2004/HighNote/



 1  Visa
 2  Time After Time
 3  Shakabu
 4  Song For The Newman
 5  Passing Through
 6  Fast Line
 7  Lonesome Head
 8  When I Fall In Love
 9  This I Dig Of You


デヴィッド・ニューマンもまた近年の私の癒し系テナー奏者の一人です。
2004年のハイノート作品、この頃ニューマンは1年に1枚のペースで吹き込んでいます。
彼をハイノートに紹介したのがヒューストン・パーソン(ts)のようでパーソンがプロデューサーに名を連ねています。
ニューマンは元々がR&B系のテナー奏者でレイ・チャールス・バンドで活躍していたのは良く知られています。
ここはメンバー的にかなりジャズっぽい感じを予想しました。
ジョン・ヒックスのピアノにジミー・コブのドラムス、フロント2管の相手がカーティス・フラー(tb)です。

全9曲は自身のオリジナルが2曲とスタンダード2曲とその他5曲の構成です。
その他の曲にはチャーリー・パーカー(as)、ハービー・マン(fl)、ハンク・モブレイ(ts)が含まれていました。
何となくニューマンの好みが分かるような気がします。・・・「なるほどそうなのか」なんてね。
私は作品の選曲からプレイヤーの音楽性を想像するのが好きなのでそれがジャズ聴きの楽しみのひとつでもあります。
ニューマンの達者なフルートは(4)で聴けました、テナーでは(2)、(5)、(8)が良かったです。
特にハービー・マンの「Passing Through」(フルートじゃないのがミソ)と「When I Fall In Love」は絶品でした。
予想は見事に外れました。・・・立派なムード・ジャズです。・・・やはり一流のジャズ・マンは何でも出来る。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(903) MARGARETA BENGTSON / BALLADS

margareta bengtson(vo), mathias algotsson(p,org),
peter asplund(tp)(3,10), dicken hedrenius(tb)(5,7), Avante Soderkvist(b)(4,6,7,8,11)
2016/Spice Of Life/


 1  The Very Thought Of You (R.Noble)
 2  My Foolish Heart (V.Young)
 3  I Thought Of You (J.V.Heusen)
 4  The Gentle Rain (L.Bonfa)
 5  My One And Only Love (G.Wood)
 6  Spring Can Really Hang You Up The Most (T.Wolf)
 7  Our Love Is Here To Stay (G.Gershwin)
 8  Long Ago And Far Away (J.Kern)
 9  Here's That Rainy Day (J.V.Heusen)
 10  Nature Boy (E.Ahbez)
 11  Never Will I Marry (F.Loesser)


癒し系アルバムとしては「バラード」が付いたタイトルについ手が伸びてしまいます。
スウェーデン出身のマルガリータ・ベンクトソン(vo)は初めて聴きました。
これは素晴らしかった・・・私は一発で魅了されてしまいました。
これほどしっとりとしたバラードが聴けるとは思わなかったです。
透明感があって澄んだ美しい歌声は抜群の歌唱力を誇ります。

全11曲は全てスタンダードで占められています。
ゲストとして表記されているマティアス・アルゴットソンはピアノとオルガンで参加しています。
ゲストのトランペットやトロンボーンも効果的に配置されていました。
あまりに良かった・・・驚きの一枚です。
ライブではとてもこの雰囲気は出ないと思うのでマルガリータは今作がお勧めです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(902) STANLEY TURRENTINE SEXTET / IF I COULD

stanley turrentine(ts), hubert laws(fl), roland hanna(p),
ron carter(b), grady tate(ds), steve kroon(per), etc
1993/MusicMaster/



 1  June Bug
 2  Caravan
 3  I Remember Bill
 4  The Avenue
 5  Marvin's Song
 6  Maybe September
 7  A Luta Continua
 8  If I Cold


スタンリー・タレンティンは私の癒し系テナー奏者の一人です。
1960年代のブルー・ノート時代は「ソウルフル&ブルージー」といった夜のムード一杯でした。
そのベタベタ感が身体にまとわり付くようで苦手だったです。
70年代になるとCTIに移籍して「シュガー」の大ヒット盤を吹き込みました。
その頃ジャズはクロスオーバーやフュージョンに移行していてタレンティンは見事にその時代にマッチしました。
私がタレンティンを好きになったのはその頃からです。

さて今作の全8曲にタレンティン自身のオリジナルはありません。
その代わりに兄のトミー・タレンティン(tp)作が(1)、(5)の2曲、表題曲の(8)はパット・メセニー(g)の曲です。
何といってもここでの聴きどころはヒューバート・ロウズのフルートにあります。
ロウズはクラシック畑出身の名手でフュージョン時代に一世を風靡しました。
それこそ当時のCTIのどの盤を見てもロウズの名前があったのを覚えています。

ここはロ-ランド・ハナ(p)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)のバック・トリオも面白いと思いました。
スティーヴ・クローンのパーカッションが入るのでサウンドはフュージョンの延長上にあります。
ベスト・トラックは15分を超す長丁場になったエリントンの有名曲の(2)「Caravan」です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(901) CHRISTIAN SANDS TRIO & QUARTET & QUINTET / FACING DRAGONS

christian sands(p,rhodes,org,key), yasushi nakamura(b), jerome jennings(ds),
caio sfiune(g)(2,4,5,7,8), keyon harrold(tp)(2,6), marcus strickland(ts)(2,6), etc
2018/Mack Avenue/


 1  Rebel Music
 2  Fight For Freedom
 3  Yesterday (J.Lennon/P.McCartney)
 4  Sangueo Soul
 5  Sunday Mornings
 6  Frankenstein
 7  Her Song
 8  Samba De Vela
 9  Rhodes To Meditation


クリスチャン・サンズ(p)は現在29歳、時代を担うジャズ・ピアニストの一人だと思います。
最初に聴いたのはクリスチャン・マクブライド(b)・トリオでこれが素晴らしかったです。
マクブライドに指名されただけでも凄いけど、調べたらなんとサンズのデビュー盤が13歳というのも驚きました。
いわゆるジャズ天才児だったわけですね。

全9曲はビートルズの1曲を除いて自身のオリジナルで占められています。
曲想やリズムが多彩なので現在のサンズの音楽性を知るには最適なアルバムです。
ゲスト入りも効果的でどの曲も一筋縄ではいかない凝った演奏になっています。
でも奇をてらうという感じではなくて現代風ではあるけれど伝統に根差した表現を目指している。
どれを聴いても面白かった。
特に「イエスタデイ」の演奏を聴けばサンズが如何に才能に溢れているかが一目瞭然です。
リズム感が抜群でサウンドやスタイル的にはチック・コリアに近いかなと思いました。
なおベーシストには注目の中村恭士さんが参加しています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)