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(60) BOBBY WATSON / IN THE GROOVE

bobby watson(as)
dado moroni(p)  hein van de geyn(b) hans van oosterhout(ds)
2000/CHALLENGE REC/CHR-70095(輸入盤)


久し振りにボビー・ワトソン(as)のアルバムを買ってみました。
これはいいですね、文句なしです、ライブ・アルバムとしても極上の一品です。
1曲目、チャーリー・パーカー作の「CONFIRMATION」におけるアルトソロから始まる
プレイは熱い!!、ワトソンの面目躍如、まさに圧倒的な迫力で迫ってきます。
2曲目、「ALL BLUES」では、ダド・モロニ(p)が凄みのあるプレイを聴かせます。
ワトソンの変幻自在のソロ、モロニのピアノも相変わらず切れ味が鋭いです。
「百聞は一聴にしかず」、ワトソンとモロニとの勝負は本当に聴き応えがありますよ。
ジャズ・フェスティバルにおける真剣勝負のぶつかり合いに圧倒されてしまいました。
ベースも強力、早くも今年のベスト3候補の登場です。

(まじめ系)



(59) TOMOKO OHNO / NATURAL WOMAN

tomoko ohno(p)  rufus reid(b) tim horner(ds)
janis ian(vo)
2000/TOKUMA/TKCB-72043


ニューヨークで活動を続けている大野智子(p)の3枚目のリーダー・アルバムです。
前作は70年代のフュージョンの名曲を取り上げて、「ドラ流目立たないけど・・・」にしましたが、
今回は70年代の女性シンガー・ソング・ライターの作品を中心に演奏しています。
オリジナルも3曲含まれています。
女性らしい、やさしく繊細で美しいピアノ・トリオ・アルバムです。
ジャニス・イアンがゲストで渋い歌声を披露してくれました。
小品ながら心地良いジャズを聴かせてくれます、お薦め出来る1枚だと思います。

(中間系)



(58) STEFANO DI BATTISTA / STEFANO DI BATTISTA

stefano di battista(as,ss)
jacky terrasson(p)  rosario bonaccorso(b) elvin jones(ds)
flavio boltro(tp)
2000/BLUE NOTE/7243 528417 2 1(輸入盤)


ミシェル・ペトルチアーニ(p)に見出されたイタリア出身のステファノ・ディ・バティスタの新作です。
ブルー・ノートからは2作目になりますね、前作の「A PRIMA VISTA」も良かったですよ。
大体、プレイヤーが自分の名前を冠した作品には、力がこもっているのでハズレが少ないです。
彼の音楽性を知ることが出来る、意欲的な一枚です。
今作はドラムにエルビン・ジョーンズ、ピアノには個性派のジャッキー・テラソンを起用しました。
特に尊敬するエルビンとの共演は若い時からの夢だったようですね。
1曲目にはコルトレーンを彷彿とさせる、見事なソプラノ・サックスを披露しています。
このアルバムがステファノの代表作になることは間違いないと思います。

(まじめ系)




(57) DAVID SANBORN / INSIDE

david sanborn(as)
marcus miller(b,key,ds,etc)  don alias(per) michael brecker(ts)
wallace roney(tp)  ricky peterson(org) cassandra wilson(vo)
lalah hathaway(vo)  sting(vo)  etc
2000/ELEKTRA/7559-62346-2
(輸入盤)

デヴィッド・サンボーン(as)のライブを見たので、この新作を良く聴いています。
実にサンボーンのアルバムを購入したのは、20年振りになるでしょうか。
久し振りに聴いてみて、吹き過ぎていないところに好感を持ちました。
ライブでもそれは感じましたし、この新作からは4曲ほどが演奏されました。
プロデュースはマーカス・ミラーで、ここでも5曲を提供しています。
この作品はヴォーカルを上手に組み合わせていて、構成も申し分ありません。
これほど豪華なゲスト陣はちょっとないでしょうねえ、多分みなさんも楽しめると思います。

(中間系)



(56) DIDIER LOCKWOOD / TRIBUTE TO STEPHANE GRAPPELLI

didier lockwood(vln)  bireli lagrene(g) niels henning orsted pedersen(b)
2000/DREYFUS/FDM 36611-2(輸入盤)


これは、T.Haradaさんの昨年のベスト・ワンです。
ディディエ・ロックウッド(vln)のステファン・グラッペリ・トリビュート・アルバムです。
共演がビレリ・ラグレン(g)とオルステッド・ペデルセン(b)と強力な布陣です。
グラッペリ追悼としては、雰囲気といいメンバーといい最高ではないでしょうか。
こういうアルバムを1枚持っていると、ジャズ聴きの幅がグンと広がると思いますね。
フランスの田舎を感じさせるジャケットも印象に残ります。

(中間系)




(55)KEITH JARRETT / WHISPER NOT

keith jarrett(p)  gary peacock(b)  jack dejohnette(ds)
2000/ECM/UCCE-1004/5


キース・ジャレット・トリオのスタンダード集、パリでのライブ・2枚組です。
トリオとしての重量感というか、格が一枚も二枚も上ですね、現在考えられる最強の組合せかも。
唸り声も健在ですが、これが余り気にならないほど、素晴らしい出来だと思いました。
キースも病んで今1歩深みを増した感じです、トリオのコンビネーションも最高です。
これじゃ、2枚を1枚にする方が無理というものです、2枚一気に聴いてしまいました。
当然、目立つ1枚だと思いますが、GDにならなかったので、「ドラ流・・・」にしました。
極上のジャズ・スタンダード・アルバム、今年出たピアノ・トリオものでは出色の作品です。

(中間系)



(54)THE ALEX BLAKE QUINTET featuring PHAROAH SANDERS
/ NOW IS THE TIME

alex blake(b,elb,per,vo)
pharoah sanders(ts) john hicks(p) victor jones(ds) neil clark(per)
2000/BUBBLE CORE/PCD-24034


アレックス・ブレイク(b)の22年振りのリーダー作だそうです。
何と言っても、ファラオ・サンダース(ts)とジョン・ヒックス(p)の参加が注目されます。
このところ、ファラオもジョンも大人しい感じのバラード・アルバムが多かったですが、
ここではライブ盤ということもあり、久し振りに熱く燃えたプレイを披露してくれています。
表題曲の「NOW IS THE TIME」は、アフロ・テイストで盛り上がりました。
最近は、こういうアルバムには中々出会いませんね、真剣勝負のスリルと興奮を覚えた一枚です。
それにしても、日本盤をよく出してくれました、普通は気が付きませんよ、やはり日本はジャズ天国か。
今だファラオ・サンダースの人気が衰えていない証拠ですね。

(まじめ系)




(53)NAOKO TERAI / PRINCESS T

naoko terai(vln)
lee ritenour(g)  alan pasqua(p)  harvey mason(ds)
robert hurst(b)  jerry hey(tp)  don grusin(syth) etc
2000/ONE VOICE/VACV-1037


寺井尚子の3枚目のアルバムです。LA録音だそうです。
ゲストにリー・リトナーを始めとする、西海岸の芸達者達を集めています。
フュージョン色の強い作品になりましたが、また新しい世界を展開させました。
やはり、この人のバイオリンはいいです、音色がなんとも魅力的です。
切なくて、愁いを秘めたサウンドには、まったく参ってしまいますよ。
たしかに、独自の世界を持っていますね。
バック・ミュージシャンもさすがに一流、彼女の良さを十分に引き出しています。
哀愁感が漂う1枚、秋の夜長におすすめです。

(くつろぎ系)

(52)CHET BAKER QUARTET LIVE
/ THIS TIME THE DREAM'S ON ME

chet baker(tp)
russ freeman(p)  carson smith(b)  larry bunker,bob neel(ds)
2000/PACIFIC JAZZ/7243 5 25248 2 2(輸入盤)


最近入手したチェット・ベイカー・カルテットの1953〜54年にかけてのライブ盤です。
特に1〜5は未発表曲で貴重です。6〜14は「JAZZ AT ANN ARBOR」として、LPで発売されました。
やっぱり、この頃のベイカーは素晴らしいですね。当時のウエスト・コースト・ジャズの真髄が聴けます。
白人トランペッターとしては、ダントツの魅力があります、私は懐かしくてジワーとなってしまいました。
ファンの耳を馬鹿にしてはいけませんね。マイルスを凌いだ人気も一理ありますよ。

(中間系)



(51)TETSURO KAWASHIMA / MY SOUL

tetsuro kawashima(ts,ss)
akira ishii(p)   daiki yasukagawa(b)  makoto rikitake(ds)
2000/EWE/EWCD-0022


作年2月に初リーダー作を発表して以来、急激に変貌を遂げている川嶋哲郎の新作です。
クラブ・トコを始め、1年余りでこれほど成長したプレイヤーも珍しいです。
今も現在進行形で驚くほどのスピードで変化していると思われますので、目が離せません。
彼は真面目ですよ、ジャズに対する真摯な態度が、その演奏内容から感じられます。
性質上、どうしても重くなりますが、聴かせるジャズマンが少なくなっている現在、貴重な存在です。
願わくば今一つ、音にパワー、力強さが加わればなぁ・・・・・。

(まじめ系)



(50)MARION BROWN & JAZZ CUSSION
/ ECHOES OF BLUE

marion brown(as)
michael mohring(g)  peter krug(b)  bernd nawothnig(ds)
wolfgang kropp(per)

2000/DOUBLE MOON/CHRDM-71015
(輸入盤)

マリオン・ブラウンのスタンダード集と聞いたら、見逃すわけにはいきませんよ。
前作は同メンバーのラテン・テイストの作品で、今いちマッチしませんでしたが、これは良いです。
ピュアで澄んだ透明感のある音色は彼がベジタリアンだからでしょうか。
哀愁を帯びた演奏はたまりません、さすがにスタンダードの解釈も新鮮ですね。
前衛派のマリオンはどうも、という方にも安心してお薦め出来るアルバムです。

(中間系)



(49)BILLY HARPER / SOUL ON AN ANGEL

billy harper(ts)

francesca tanksley(p)   clarence seay(b)  newman taylor baker(ds)
eddie henderson(tp)  john clark(frh)
2000/METROPOLITAN RECORDS/MR-1120
(輸入盤)

熱血漢、ビリー・ハーパーの新作です、ハーパー独特の熱いサウンドが楽しめます。
相変わらずの真っ向からのストレート勝負ですから、気持が良いです。
ここでもパワフルなプレイを聴かせてくれています。ファンにはたまりませんねえ。
もちろん、全曲オリジナル、決して自分のスタイルを変えようとはしません。
こういうジャズマンは、今や本当に貴重な存在です。
ライブで最も聴いてみたいプレイヤーの一人ですが、最近は日本に来ているのでしょうか。

(まじめ系)



(48)RON CARTER / WHEN SKIES ARE GREY...

ron carter(b)

stephen scott(p)  hervey mason(ds)   steve kroon(per)
2000/SOMETHIN'ELSE/TOCJ-68049


ロン・カーターの前作「オルフェ」に引き続いてのラテン・ジャズ・アルバムです。
前作がヒットしたので2匹目のドジョウ狙いかも知れませんが、私はこちらの方がいいです。
目玉はハービー・メイソン(ds)の参加でしょうが、他の二人のメンバーも聴かせてくれます。
一聴したところ、何でもないようなアルバムのようですがね、
聴き込むにつれて、中々に中味が濃いことに気が付くのであります。
なにしろ、どの曲もテンポがまったく素晴らしいのです。
ラテンの名曲、「ベサメ・ムーチョ」にも驚かされました。

(中間系)



(47)RICK MARGITZA / HEART OF HEARTS

rick margitza(ts,ss)
joey calderazzo(p)  scott colley(b)  ian froman(ds)
2000/PALMETTO RECORDS/PM-2058
(輸入盤)

サックスのワン・ホーンのお薦めは久し振りではないでしょうか。
リック・マルギッツア、私は初めて聴きました。名前から想像するとイタリア系ですかね。
知られているのか、いないのかイマイチ分かりませんが、オーソドックスで上品なサックス奏者です。
クセがなく、それでいて適度な刺激、とても上質なアルバムに仕上がっていると思いました。
ピアノには今売り出し中のジョーイ・カルデラッツオを起用していて、彼のプレイにも注目しています。
心地良く耳に響く隠れた名盤、こんな作品をひっそりと聴いている人がいたら、それこそ本当に渋いです。
これは、ハッキリ言って自画自賛ですね。(笑)


(中間系)




(46)FLEURINE&MEHLDAU / CLOSE ENOUGH FOR LOVE

fleurine(vo)  brad mehldau(p)  etc
2000/UNIVERSAL MUSIC/PHCF-3534

オランダの美人ジャズ・シンガー、遂に日本デビュー!、ブラッド・メルドーとの完全デュオ・アルバム。
このような帯中の紹介文に誘われて半信半疑で買ってみました。フルーリーンって誰?。
一曲目を聴く、これまたガーンと来ました、これは文句なしに良いアルバムですよ。
メルドーとのデュオの相性も完璧で、メルドーのピアノがこんなにカッコイイとは思わなかったです。
彼女のヴォーカルも素晴らしいけれども、メルドーもスゴイです、私のメルドーへの評価も一変しました。
私は気が付くのが遅いです、メルドー、万歳!!

(まじめ系)




(45)RUSSELL GUNN / SMOKINGUNN

russell gunn(tp)   bruce williams(as)
marc cary(p)  ric revis(b)   terreon gully(ds)

2000/HIGHNOTE/HCD-7056(輸入盤)


つい先日ご紹介した急上昇中のトランペッター、ラッセル・ガンの新作です。
前回は組曲風の意欲作でしたが、今回は一転してストレートなジャズ・アルバムを作ってきました。
ラッセル・ガンは現在28才、パワーとスピード感溢れるプレイを聴かせてくれています。
プロデュースはセシル・ブルックス・Vです。本当に若さとは素晴らしいものですね。
ピアニストのマーク・キャリーも最近お薦めしたばかりですが、やっぱり出てきましたよ。

(中間系)


(44)JIMMY SCOTT / MOOD INDIGO

jimmy scott(vo)  hank crawford(as)  gregoire maret(harm)
cyrus chestnut(p)  george mraz(b)  grady tate(ds)  joe beck(g)  etc
2000/MILESTONE/VICJ-60643

今話題のジミー・スコット、75歳の最新作です、久々のメジャー盤だそうです。
この人が唄うと原曲のイメージは、ほとんどなくなります、この唄い方の好き嫌いはあるでしょうね
まさに、ワン・アンド・オンリーの世界、独自の世界を持っています。
前作の「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ」は本当に素晴らしくて、掛値なしの愛聴盤になりました。
比較してしまうと、彼自身の出来はやや劣りますが、その分を共演者の好演が埋めている感じがします。
特にハンク・クロフォードは良いですねぇ、このアルバムの総合的なレベルは高いと思います。

(まじめ系)



(43)THE JAZZTIMES SUPERBAND

bob berg(ts)   randy brecker(tp,fln)
joey defrancesco(org)  dennis chambers(ds)   paul bollenbak(g)

2000/CONCORD/CCD-4889-2(輸入盤)


ジャズ・タイムス誌の30周年を記念して結成されたジャズ・タイムス・スーパーバンドの作品です。
これはまさに現代のファンキー・ジャズの決定盤です。ソウルフルな実にカッコ良いアルバムです。
ここでのキー・マンはオルガンのジョーイ・デフランチェスコだと思います。
ボブ・バーグ(ts)、ランディ・ブレッカー(tp)もオリジナルを3曲づつ提供して張り切っています。
デニス・チェンバース(ds)のパワフルなプレイも聴きものです。
むずかしいことは考えずに、それぞれのプレイヤーの激突を楽しんで下さい。

(中間系)



(42)JOEY CALDERAZZO

joey calderazzo(p)  john patitucci(b)   jeff "tain" watts(ds)

2000/SONY/CK-69886(輸入盤)


ジョーイ・カルデラッツオ、現在人気上昇中のジャズ・ピアニストの新作です。
彼はマイケル・ブレッカーに起用されて一躍注目を集めました。
このアルバムは自己の名前を冠した自信作なんでしょうね。
プロデュースはブランフォード・マルサリスがやっています。
8曲中6曲がオリジナル、残りがビル・エバンスとマイケル・ブレッカーの作品です。
ここに彼の心境を窺い知ることが出来ます。
全体的にはオーソドックスな仕上がりの作品で、主流派のピアノ・トリオを楽しめます。
いずれ彼の代表作になることは間違いないと思います。


(まじめ系)



(41)ROY HARGROVE WITH STRINGS
/ MOMENT TO MOMENT

roy hargrove(tp,fhn)  sherman irby(as)
larry willis(p)  gerald cannon(b)  willie jones(ds)  strings

2000/VERVE/POVJ-1481

ロイ・ハーグローブの待望の新作です。
彼の新しいクィンテットとストリングスの競演という試みが、面白いというか意外でした。
ストリングスをバックにしたロイは押さえたプレイで本当に素晴らしいです。
その他のメンバーは若手のプレイヤーだと思いますが、特にアルトとピアノが印象に残ります。
ストリングス入りの作品は一般的に評価が分かれるけれど、私はとても気に入りました。

(くつろぎ系)





(40)KEI AKAGI / VIEWPOINT

kei akagi(p)   yoshio suzuki(b)  hiroshi murakami(ds)
2000/ONE VOICE/VACV-1036


ケイ・赤城(p)、鈴木良雄(b)、村上寛(ds)の日本人強力ピアノ・トリオの登場です。
全10曲中、6曲がケイ・赤城のオリジナルで、残り4曲がスタンダードという組み合わせです。
三味一体のプレイは見事です、日本人のピアノ・アルバムとしては第一級の作品だと思いました。

この3人は4年前からツアー活動を行っているそうです、今年の7月からも全国ツアーが予定されています。

(まじめ系)


(39)JIMMY SCOTT / HOLDING BACK THE YEARS

jimmy scott(vo)  pamela fleming(tp)  bruce kirby(ts)
matt muniseri(g)  michel kanan(p)  hilliard green(b)  victor jones(ds)

2000/ONOFF/TKCB-71929


今話題のジミー・スコット、75歳の最新作です、ヴォーカルの愛聴盤も珍しいです。
私は初めて聴きましたけれど、これには驚きましたよ。
彼の苦しく、悲惨な人生を感じさせる、魂を揺さぶられるジャズ・ヴォーカルです。
こんな経験はビリー・ホリディ以来のことです。
この感覚を言葉で言い表すのは、ちょっとむずかしいなあ。
とにかく一度聴いてみて下さい。久し振りに心に沁みた一枚です。

(まじめ系)


(38)SARAH JANE CION / MOON SONG

sarah jane cion(p)  phil palobi(b)  billy hart(ds)
chris potter(ts,ss)

2000/NAXOS/86054(輸入盤)

宮ちゃんがお薦めの一枚です、 美人なんとかに弱い私を見事に突いてきました。
実際に美人ピアニストの美しい抒情的なピアノも魅力的ですがね、
このアルバムは表題曲のクリス・ポッターの素晴らしいサックスで決まりでしょう。
私はポッターのファンですが、彼がこんなに渋いプレイをするとは思いませんでしたよ。
何度も繰り返し聴いてしまいました、是非一度お試しあれ。

(中間系)



(37)DAVE DOUGLAS / SOUL ON SOUL

dave douglas(tp)  chris speed(cl,ts)  greg tardy(cl,bcl,ts)
joshua roseman(tb)  uri caine(p)  james genus(b)  joey baron(ds)

2000/BMG/09026 63603-2
(輸入盤)

現在アメリカで最も注目されているトランペッターのデイヴ・ダグラスのアルバムです。
これはピアニストとしても活躍したメリー・ルー・ウィリアムスのトリビュート・アルバムで珍しいです。
彼女の作品が4曲で、その他の曲は全て彼のオリジナルで占められています。
影響を受けた人の中にレスター・ボウイ、オーネット・コールマン、ジョン・ゾーン等々が入っていて、
彼自身もアバンギャルドの経験者だそうです。
前衛出身者のメインストリーム・ジャズは面白いのが普通です。
ここでも分厚い、個性的なサウンドを聴かせてくれています。
非凡な才能を感じさせるアルバムで、俗に言う玄人好みの作品だと思います。


(まじめ系)



(36)GREG OSBY / THE INVISIBLE HAND

greg osby(as,cl)    gary thomas(fl,ts)  jim hall(g)
andrew hill(p)   scott colley(b)  terri lyne carrington(ds)
2000/BLUE NOTE/7243 5 20134 2 5
(輸入盤)

グレッグ・オズビーの世界を聴くには、絶好のアルバムになりました。
ダーク&ディープな雰囲気に統一された面白い作品だと思います。
これがアンドリュー・ヒルとジム・ホールの組み合わせの妙なのかも知れませんねえ。
私にはここにアンドリューとジムが一緒にいることが、どうにも信じられません。
好みもあるでしょうが、ある程度ジャズを聴き慣れた人向きか。

(まじめ系)


(35) BRAD MEHLDAU / ELEGLAC CYCLE

brad mehldau(p)
1999/WARNER BROS/WPCR-10338


ブラッド・メルドーをさかのぼって聴いています、これは5枚目のリーダー作でソロ・アルバムです。
全曲、彼のオリジナルで占められており、メルドーの世界が広がっています。
私は素晴らしいと思いますねえ、2曲目の「RESIGNATION」は名曲ですよ。
この一曲を聴いただけでも、彼が只者ではないことが良く分かりました。
頭でっかちと感じて好みでない人も多いとは思いますが、くれぐれもお見捨てなきようお願い致します。

(まじめ系)


(34)KENNY WHEELER & BRIAN DICKINSON
/ STILL WATERS


kenny wheeler(flh)  brian dickinson(p)
1999/HORNBLOWER/HR-99105
(輸入盤)

ベテランのケニー・ホイーラーとブライアン・ディッキンソン(p)のデュオ・アルバムです。
ホイーラーはパップから前衛まで幅広いキャリアの持ち主です。
アンソニー・ブラクストンやデイブ・ホランドのグループで活躍、ECMにかなりの作品があります。
ディッキンソンもカナダ人ですが、こちらはほとんど知られていませんね。
トランペットとピアノのデュオは中々良いものですが、ここではフリューゲル・ホーンが使われていますので、
より一層まろやかで、やさしい雰囲気に仕上がっています。
ケニー・ホイーラーとしては、かなり珍しいタイプの作品だと思います

曲目は全て2人のオリジナルでスタンダードが一曲もないのも面白いです。
カナダ盤ですけれど、イメージ通りの森とか湖とかを感じさせる美しいアルバムです。

(くつろぎ系)



(33)GEORGE GARZONE / MOODIOLOGY

george garzone(ts,ss)
kenny werner(p)   john lookwood(b)  bob gullotti(ds)
claire daly(bs)   douglas yates(as,bcl)  mike mainieri(vib)

1999/NYC/NYC-6031-2(輸入盤)


ジョージ・ガーゾーン、今アメリカで最も注目されているサックス奏者ではないでしょうか。
プロデューサーはヴァイヴ奏者のマイク・マイニエリで、彼自身も参加しています。
影響を受けたミュージシャンとして、スタン・ゲッツ、ジョー・ロバーノ、マイケル・ブレッカー、
デイヴ・リーブマン等の名前を挙げていますが、コルトレーンやショーターがないのは意外です。
聴いてもらえば、すぐにお分かり頂けると思いますが、この人は只者ではないです。
至極個性的で刺激的、将来性も十分に感じさせます。
この作品は11曲中8曲がオリジナルで、残りの3曲がスタンダードという構成になっています。
「SUMMERTIME」、「I'LL REMEMBER APRIL」、「SOUL EYES」の解釈も新鮮です。
私の一押し、ケニー・ワーナー(p)も頑張っています。

(まじめ系)


(32)JACOB CHRISTOFFERSEN / JAZZXPERIENCE

jacob christoffersen(p,org)
claus waidtlow(sax)   jonas westergaard madsen(b)  mikkel hess(ds)
niclas knudsen(g)
1999/STUNT RECORDS/STUCD-19916(輸入盤)


ヤコブ・クリストフェルセンと読むのかな、全編オリジナルで占められた意欲作だと思います。
初めて聴きましたけれど、スウェーデン発の中々に出来の良いアルバムですよ。
ピアノとオルガンを演奏していますが、新しい感覚のジャズを聴かせてくれます
曲想も新鮮で、サックス、ギターも秀逸、本当にヨーロッパの若手?も侮れません。

(まじめ系)


(31)TOMOKO OHNO / AFFIRMATION

大野智子(p)  rufus reid(b)  tim horner(ds)
1999/DAN FLEX/TKCB-71774


大野智子の2枚目のリーダー・アルバムだそうですが、私は初めて聴きました。
中々に聴き心地の良い作品に仕上がっていると思います。
60〜70年代のフュージョンの名曲が聴けるという面白い企画です。
フレディ・ハバードの「サン・フラワー」、ハーブ・アルパートの「ライズ」、
デオダードの「スピリット・オブ・サマー」、アール・クルーの「サマー・ソング」、
ウエス・モンゴメリーの「ロード・ソング」等々、
私にとっては、滅茶苦茶に懐かしい名曲がズラーっと並んでいて、もうたまりませんなあ。
ピアノ・トリオとしてのコンビネーションも意外に良いのでお薦め出来ます。お気軽にどうぞ。

(くつろぎ系)


(30)TOM HARRELL / TIME'S MIRROR

tom harrell(tp,flh)  craig bailey(as,fl)  mark gross(as,cl)
alex foster(ts,fl)  
 
don braden(ts)   david schumacher(bs)
xavier davis(p)    kenny davis(b)   carl allen(ds)  etc
1999/BMG/09026 63524-2(輸入盤)


久し振りにビック・バンドのお薦めが登場しました、トム・ハレルのビック・バンド盤です。
彼はスタン・ケントンやウディ・ハーマン、メル・ルイス、ジョージ・ラッセル等のビック・バンド
に在籍しただけあって、なんとも心地良い乗りのビック・バンド・ジャズを聴かせてくれます。
アレンジは全てトム・ハレル自身が行っています、彼には才能があるんですねえ。
一聴の価値は十分にあると思いますので、是非聴いてみて下さい。

(中間系)


(29)YUJI OHNO / LUPIN THE THIRD

大野雄二(p)  鈴木良雄(b)  村田憲一郎(ds)
ゲスト横山達治(per)  鈴木喜代志(b)  山田穣as)
1999/VAP/VPCG-84680


これは近所のジャズ仲間の後輩に薦められたアルバムです。
後輩:「先輩、大野雄二の新作、ルパン三世をもう聴きましたか。」
私:「いやー、聴いてないよ。知ってはいるけどさすがに手が出ないよ。」
後輩:「これが先輩、結構いいですよ。是非聴いてみて下さい、私は毎日車で聴いています。」
と言われて早速購入してみたものの、聴くまでは正直半信半疑の状態でした。
しかし、これがまたオリジナル作、編曲者による心地良いジャズで楽しめます。ホントに驚きましたよ。
やっぱり音楽に先入観念は良くないなあと再認識させられました。
「ルパン三世」世代は必聴のアルバムです。

(中間系)


(28)TOSHIKO AKIYOSHI / SKETCHES OF JAPAN

秋吉敏子(p)  philippe aerts(b)  eddie marshall(ds) etc
1999/NIPPON CROWN/CRCJ-91001


今年のCDベスト3」にも入れた秋吉敏子の作品です
年齢を感じさせない創造力は本当にスゴイです。
日本をテーマにした作品で、民謡や童歌が挿入されていますが、とても新鮮で感動しました。
このアルバムをきっかけに90年まで、彼女のコンボ物を遡ってしまいましたよ。
どの作品も十分素晴らしい出来です。やはり年を取ると女性の方が元気なんですねえ。

(まじめ系)


(27)NAOKO TERAI / PURE MOMENT

寺井尚子(vln)  奥山勝(p)   池田達也(b)
藤井摂(ds)   横山達治(con)
1999/ONE VOICE/VACV-1033

ジャズ・ヴィオリン、寺井尚子の2枚目のアルバムです。
彼女の一番の魅力は、聴いていて感じる心地良さではないでしょうか。
いつまでもこのサウンドに浸っていたいと、私は思ってしまいます。
自作の表題曲「ピュア・モーメント」や宇多田ヒカル作の「ファースト・ラブ」には感動してしまいました。
その美しいメロディ・ライン、ふくよかな音色からは、人柄の優しささえ感じられます。
まだ若いですけれど、彼女はすでに自分の世界を持っているような気がしますが、贔屓目なのかなあ。
これから、どう育っていくのか本当に楽しみな逸材です。


(くつろぎ系)


(26)NEW DIRECIONS

greg osby(as)  mark shim(ts)  stefon harris(vib)    

jason moran(p)   tarus mateen(b)  nasheet waits(ds)
1999/SOMETHIN'ELSE/TOCJ-68044


ブルーノート・レーベルの若手プレイヤー達による往年のBNヒット曲集です。
ブルーノート創立60周年の特別企画盤です。

中心は現在注目のグレッグ・オズビー、マーク・シム、ステフォン・ハリス、
そしてジェイソン・モランですけれど、中々聴かせるアルバムですよ。

まずはこの有名曲をお手軽に演っていないところに好感が持てます。
それぞれが個性的なアプローチをしていて、アレンジが斬新です。
モーガンの「サイドワインダー」、モブレイの「ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ」、
シルバーの「ソング・フォー・マイ・ファーザー」なんかも聴けて私は満足しています。
新しいコンセプトのジャズを感じさせる作品だと思います。


(中間系)


(25)CLUB TOKO QUARTET / DO IT

川嶋哲郎(ts)  
石井彰(p)  安カ川大樹(b)  力武誠(ds)
1999/EWE/EWCD-0015


日野元彦さんへのトリビュート・アルバムで、リーダーは川嶋哲郎です。
川嶋哲郎は、私が注目している日本人プレイヤーですけれど、将来性を感じさせるに十分な内容です。
私は彼のやわらかいテナーの音色が好きだなあ。
力武誠(ds)は日野元彦さんの愛弟子で、これが初レコーディングだそうです。
真面目な作品と言うのも変な言い方ですがね、中々に力が入るアルバムです。

(まじめ系)


(24)MICHEL PETRUCCIANI / TRIO IN TOKYO

michel petrucciani(p)  steve gadd(ds)  anthony jackson(b)
1999/DREFUS/VACR-2039


ミシェル・ぺトルチアーニのブルー・ノート東京でのライヴ盤です。
このトリオの組合せは意外な感じもしますが、ミシェルが望んだものだそうです。

ミシェルは絶好調、スティ―ヴ・ガッドは好調、アンソニー・ジャクソンはもっといいハズの印象です。
ここで一番気に入ったのは、3曲目の「HOME」です。
最初はソロで出て、次第に盛り上がっていくプレイには痺れてしまいましたよ。

ミシェルの演奏が素晴らしかっただけに、構成にもう一工夫がほしかったと思います。
観客の歓声が気になってしまったのが、私にはとても残念でした。
このライヴ演奏の雰囲気とちょっと合わない感じがしたのは私だけなのかな。


(まじめ系)


(23)RODNEY WHITAKER / BALLADS AND BLUES

rodney whitaker(b)   ron blake(ts,ss)   stefon harris(vib)
eric reed(p)   carl allen(ds)  wycliff gordon(tb)

1999/CRISS CROSS/CRISS-1167(輸入盤)

ジャズ仲間のTさんの紹介で購入した、ロドニー・ウィテカー(b)のアルバムです。
大分前に入手したものですけれど、不思議に時々聴きたくなります。

こうやって、ジワリジワリと良くなるアルバムはホントに長く愛聴出来るものなのです。
何と言うか、「真っ黒なジャズ」と言ったらいいのかな。
ベタベタとまとわりつくようなジャズで、中々良い感じなのです。
ポール・チェンバースの曲が3曲入っていまして、ウィテカーのベース・ワークも見事です。
ステフォン・ハリスもヴァイブとしては、相当に黒くて魅力を感じました。
全体的にしっとりとした落ち着いたオーソドックスなジャズを聴かせてくれますので、
私はこういうアルバムは好きです。


(中間系)


(22)DUSKO GOYKOVICH / EUROPEAN DREAM

dusko goykovich(tp)  gianni basso(ts)  peter mihelich(p)
luigi trussardi(b)  masahiko osaka(ds)
1999/KING/KICJ-366

ダスコ・ゴイコヴィッチの最新盤を聴いてみました。
なんかユッタリとして、聴き易くて、とてもいい感じのアルバムです。
たまにはこういうのも、ホントにいいなと思いました。
フロントが2本あるから楽しめるし、ペットとテナーの組合せはジャズ・コンボの王道という気がします。
ジャンニ・バッソもムードがあります。
洒落たバーで水割りかブランデーを片手に、こんなのを聴いたらもうたまりませんよ。
出来れば彼女(彼氏)と聴きたいなあ。
これで口説けばイチコロでしょう、みんな頑張って。

(くつろぎ系)


(21)STEVE GROSSMAN / QUARTET

steve grossman(ts)   michel petrucciani(p)  
andy mckee(b)   joe farnsworth(ds)
1999/DREYFUS/VACR-2037

ジャズ仲間のTさんがおすすめのアルバムです。
私がスティーブ・グロスマンにハマるきっかけになった一枚です。
やはりフリーの洗礼を受けた人のバラード・プレイはひと味違います。
素晴らしい出来で、3回も一気に聴いてしまいました。
久し振りに聴きましたので、私が今まで持っていた彼のイメージとは一変しました。
それにピアノがミシェル・ぺトルチアーニときたら、これはもう文句なしです。
ミシェルのプレイも力強いタッチで魅力十分。彼のことは、いまさらながら残念でなりません。
どこまで伸びたか見当がつきませんよ。
スティーブ・グロスマンとミシェル・ぺトルチアーニ、この二人の相乗効果は抜群です。

(まじめ系)


(20)NAOKO TERAI / THINKING OF YOU

寺井尚子(vln)     野力奏一(p,syn)
坂井紅介(b)     日野元彦(ds)
1999/VIDEOARTS MUSIC/VACV-1031

話題になったバイオリンの寺井尚子のデビュー・アルバムです。
ジャズとしては優し過ぎると思いますが、気楽にBGMで聴くにはピッタリの作品。
とてもくつろげます。それになにより家族に評判がいいです。

(くつろぎ系)


(19)MADS VINDING / DADDIO DON

mads vinding(b)   roger kellaway(p)   alex riel(ds)
1999/STUNTS RECORDS/STUCD-19813(輸入盤)

ジャズ仲間のhubtonesさんがおすすめの一枚です。マッズ・ビンディング〔b〕の作品。
どうしてもピアノのロジャー・ケラウェイが聴きたくて新宿まで買いに行きました。
なんとなくこれはいいぞという予感がありましたけれど、想像以上に素晴らしいアルバムでした。
本当に久し振りにケラウェイを聴きましたが、予想外の音の連発で、私はもう完全に参りました。
この人は間違いなく隠れたピアノの巨人です。
ピアノ・トリオのアルバムとしても最上級の出来だと思います。

(中間系)


(18)CHARLES LLOYD / VOICE IN THE NIGHT

charles lloyd(ts)    john abercrombie(g)
dave holland(b)      billy higgins(ds)
1999/ECM/ECM-1674 (輸入盤)

チャールス・ロイドの作品、メンバーを見ただけで、落ち着いた雰囲気が漂っています。
ジャズをある程度聴き慣れた人向きかも知れませんが、
これだけ趣味の良いジャズはめったに聴けるものではありません。
出来れば良質の再生装置で静かにじっくりと聴いてほしいと思います。
聴けば聴くほどに味がでる。そんな気がします。
名曲:「ホレスト・フラワー」も演奏されています。

(まじめ系)


(17) MICHEL PETRUCCIANI / SOLO LIVE

michel petrucciani(p)
1998/DREYFUS/VACR-2033


ミシェル・ペトルチアーニのソロ・ライブ盤です、1997年のフランクフルトの録音です。
ペトルチアーニ作の名曲「ルッキング・アップ」から始まるライブは本当に素晴らしいです。
美しいメロディ・ラインと力強いタッチは健在、私は感動してしまいました。
彼はソロでも聴く人を決して裏切りません、みなさんも是非聴いてみて下さいね。


(まじめ系)


(16)BOB ROCKWELL / AFTER HOURS

bob rockwell(sax)
david hazeltine(p)  billy peterson(b)  kenny horst(ds)
1998/GO JAZZ/GO 6029 2
(輸入盤)


余り一般に知られている人ではないので迷っていましたが、思い切って紹介することにしました。
現在私が聴き込んでいるプレイヤーの一人で、ボブ・ロックウェルの最新作です。
オーソドックスなワン・ホーン・ジャズで、比較的聴き易い作品に仕上がっています。
バックの3人も素晴らしいです、特にデヴィッド・ヘイゼルタイン(p)の参加が貴重です。
こういうのがいずれ「幻の名盤」になっていくのだと思います。


(まじめ系)


(15)PHILIP CATHERINE / GUITAR GROOVE

phillip catherine(g)    

jim beard(p)   alfonso johnson(b)  rodney holmes(ds)
1998/DREYFUS/VACR-2034


ヨーロッパのギタリストとしては、私が今一番注目しているフィリップ・カテリーンのアルバムです。
ヨーロッパ系のジャズ・ギターと言えば、ルーツはジャンゴ・ラインハルトですけれど、
彼もまさしくその系統で、題名通りグルービーなギター・プレイが聴けます。

共演の三人のアメリカ人がまた中々に凝った人選になっています。
ピアニストは、マクラフリンやショーターのグループでお馴染みのジム・ベアード、

ウエザー・リポートのフュージョン系ベーシストのアルフォンソ・ジョンソンも参加しています。
バックも好演、特にアル・ジョンソンの安定したベース・ワークは相変わらずお見事です。


(中間系)


(14)JAZZ WORKSHOP / PANDORA

五十嵐一生(tp)  岡崎好朗(tp,flh)  池田篤(as)  緑川英徳(as)  岡淳(ts,fl,a-fl)
川嶋哲郎(ts,ss)  大西順子(p,el-p)  椎名豊(p)  吉田桂一(p)  杉本智和(b)
安ヵ川大樹(b)  米木康志(b)  井川晃(ds)  江藤良人(ds)  本田珠也(ds)  日野元彦(ds)

1998/SOMETHIN'ELSE/TOCJ-5597〜5599


日本人のジャズ・プレイヤーをまとめて聴くという機会が少ないので、この企画は有難かったです。
それぞれがそれぞれのグループを率いての共演ですから、

おそらくかなりのの競争心があったことは想像に難くありません。
だからでしょうか、演奏はどれも相当に密度が濃いです。
正直言って、日本人のジャズももうここまで来ているのかという感じです。
パワーを除いてはまったく米欧にひけはとりませんね。
3枚組の6000円ですが、これは安い買い物だと思いました。


(まじめ系)


(13)KEVIN MAHOGANY / MY ROMANCE

kevin mahogany(vo)   bob james(p)   charles fambrough(b)
billy kilson(ds)   kirk whalum(ts)   michael brecker(ts)
1998/WARNER BROS/WPCR-2111

トニー・ベネットを除いては、何年振りでしょうか、
本格的な男性ジャズ・ヴォーカルのアルバムを購入しました。
バリトン・ヴォーカリストのケヴィン・マホガニーと言います。
現在は41歳で、日本にもすでに2回来ているそうです。
R&B系の歌手だと思いますが、ここではジャズのスタンダードを熱唱しています。
やわらかい、男性的なトーンで、中々素晴らしいですよ。
特に、表題曲の「マイ・ロマンス」は絶品です。もう30回以上聴きましたが、これはホントにいいぜよ。
バック・ミュージシャンも魅力的で、フュージョン系のプレイヤーが、
アコースティックに徹して、歌伴をやっています。これがまた、意外とシブイので驚いてしまいました。
ボブ・ジェームス(p)、チャールス・ファンブロー(b)、ビリー・キルソン(ds)のトリオを中心に、
カーク・ウエイラム(ts)とマイケル・ブレッカー(ts)がフューチャーされていて、超豪華盤です。
彼らのプレイも聴き物ですよ。
普段、ジャズ・ヴォーカルはどうもという人でも、これなら十分満足して楽しめると思います。
久し振りに男性ヴォーカルのおすすめが登場しました。
それからもうひとつ、みなさんも良くご存知の「日本盤のみボーナス・トラック収録」という代物、
大体がどうでもいいものが多いですが、ここの「ボディ・アンド・ソウル」だけは別です。
なぜ本選に入らなかったのか、ワケが分かりません。世の中、不思議なことがあるものですねえ。
これがある限り、日本盤を買わないといけませんよ。
紹介文が長くなりましたが、それだけお薦め出来る一枚ということで、ご容赦願います。

(中間系)


(12)SPIRIT OF LIFE ENSEMBLE / SONG FOR MY FATHER

SPIRIT OF LIFE ENSEMBLE
1998/PADDLE WHEEL/TICJ-361


これはまた、とても面白いアルバムを見つけてしまいました。ニューヨークのジャズ・クラブ「スィート・ベイジル」の看板バンドとして活躍している
「スピリット・オブ・ライフ・アンサンブル」の本邦デビュー作だそうです。
12〜18人のレギュラー・メンバーで活動しているビック・バンドで、ジャズを中心にファンク、ゴスペル、
ラップ、レゲエ、カリビアン等あらゆるブラック・ミュージックを聴かせてくれるらしいです、
メンバーにはそれほど有名なミュージシャンはいませんが、キャリアは豊富な人が多いです。
このアルバムの評価は聴く人によって大分違うのではないかと思ってここに紹介しました。
選曲もバラエティに富んでいるので、ヴォーカルを中心にして私は結構楽しめましたけれど、
みなさんがどう感じるか興味があります。
現在のニューヨークにおける旬のビック・バンドがどういうものであるかを、
ちょっと聴いてみたい人には最適のアルバムだと思います。

(中間系)


(11)KENNY BARRON / SPHERE 

kenny barron(p)    gary bartz(as,ss)
buster williams(b)     ben riley(ds)
1998/verve/POCJ-1429

最近超多忙のケニー・バロンのモンク・サウンドを中心にした「スフィア」の再結成アルバム。
なんか、こういうのを聞くと、私はホッとしますね。
懐かしい感じがして、とても落ち着けます。ゲーリー・バーツも好調ですよ。
あまり目立たないけど、いいアルバムだと、つくづく思います。

(中間系)



(10)LEE KONITZ / JAZZ NOCTURNE

lee konitz(as)          kenny barron(p)
james genus(b)     kenny wahsington(ds)1998/venus(1992rec)/TKCV-35063


1992年録音の再発売のアルバムです。
リーは時に頭でっかちで難解ですが、これはいいですね、文句なしです。
スタンダード作品集で、リー・コニッツの実力が十分に発揮されています。
録音の音もいいですし、リーを聞いたことのない人には、是非聞いてほしいな。

(中間系)

(9)YOSHIAKI OKAYASU / GENTLE MOODS

岡安芳明(g)  安保徹(ts)
吉田桂一(p)  佐々木悌二(b)  山下暢彦(ds)
1997/KING/KICJ-322


岡安芳明のスタンダード、バラード集です。

至極丁寧に仕上がっているアルバムだなぁ、というのが第一印象でした。
岡安芳明のギターは気取らず、無理なくの自然体で、とても良い感じですよ。
美しいギターの音色、安保徹のテナー、吉田桂一のピアノと期待以上に良い作品でした。
それぞれが自分の持ち味を十分に出した日本人ジャズの佳作です。


(くつろぎ系)


(8)DAVE McKENNA&BUDDY DeFRANCO
/ YOU MUST BELIEVE IN SWING

dave mckenna(p)  buddy defranco(cl)
1997/CONCORD/CCD-4756-2
(輸入盤)

まずこれだけバランスの良いデュオ・アルバムは珍しいです、雰囲気も抜群です。

マッケンナとデフランコにとっても、晩年の代表作になることは間違いないと思います。
大人?のジャズとでも言うのか、実に味わい深いプレイを聴かせてくれます。
ジャズ・プレイヤーの最盛期は一体何時なのか?そう簡単ではないことを教えてくれました。
年を取ったら、あの人はもう終わったというとらえ方をするのは大きな勘違いだったかも知れません。
これを聴いて、私は年齢を問わずジャズは楽しめるものだと実感しましたよ。

ジャケットも結構気に入っています。

(中間系)


(7)JOE LOVANO / CELEBRATING SINATRA

joe lovano(ts)
  kenny werner(p)  george mraz(b)  al foster(ds)
manny albam(arr con) etc
1997/BLUE NOTE/TOCJ-6069


ジョー・ロバーノのシナトラ・トリビュート・アルバムです。
デュオからオーケストラまで色々なタイプの演奏が聴けます。
バックでは、ジョージ・ムラツとアル・フォスターの好演が目立ちます。
ジョー・ロバーノの唄ものと言うのも中々に味がありますねえ、ジワーっときました。
なんか余りお堅いものより、このような軟らかめの方が良いような気がしますよ。
私はシナトラが大好きですから、多少の贔屓目もありますけれど、心に沁みる作品で楽しめます。

(中間系)


(6)MATRIX / IN THE MIDNIGHT

satoru moriwaki(p)  tetusya sasaki(ds)
kei morioka(g)   masaki shimizu(b)

1997/AMVOX GROUP INC
(発売元:バンダイ)/AACA-003

掘り出し物を見つけましたので、みなさんにご紹介いたします。
あるんですねえ、日本にもこんなに強烈なサウンドが。
フュージョンですけれど、これにはちょっと驚かされましたよ。「カシオペア」以来のショックでした。

グループ名は「マトリックス」と言いますが、プレイヤーの素性は全然分かりません。
解説書もありませんので、ひょっとしたら自主制作盤なのかなあ。
グループとしての完成度も相当に高いです。
2曲目におけるコンビネーションの良さは、まさに感動ものでした。

ピアノがとても強力ですが、このモリワキ・サトルという人は一体何者なんでしょうか。
みなさんにも是非一度聴いてもらいたいアルバムではあります。
マイナー・レーベルですので、興味のある方はお早目に入手した方が良いと思います。

(中間系)


(5)KEIKO LEE / BEAUTIFUL LOVE

keiko lee(vo)      kenny barron(p)
cecil mcbee(b)      grady tate(ds)
art farmer(tp)     jiro yoshida(g)

1997/sony/SRCS-8363

ケイコ・リーのラブ・バラード集ですが、とても不思議なアルバムです。
最初、それほどいいとは思わなかったのですが、だんだんと味が出てきて、
今では完全に愛聴盤になりましたよ。アート・ファーマーも久し振り。
声質はやわらかくハスキー、歌い方も個性的でとても新鮮です。


(くつろぎ系)


(4)GARY BARTZ / THERE GOES THE NEIGHBORHOOD

gary bartz(as)    kenny barron(p)
ray drummond(b)    ben riley(ds)
1997/CANDID(1990REC)/TECW-20576


ゲイリー・バーツのバード・ランドでのライヴ盤で、90年録音の再発売です。
今はここらあたりが一番安心して聴いていられるというか、聴き易い感じです。
ケニー・バロンとのコンビネーションの良さは定評のあるところ、選曲のバランスも良し。
フュージョン全盛期には、ゲイリーにも迷いがあって、どうしょうもないアルバムも作っていたけれど、
ここではコルトレーン派のアルト奏者としての面目躍如で、「IMPRESSIONS」ではその真髄が聴けます。
ケニー・バロンもいつもの温厚なプレイはどこへやら、燃えに燃えました。

(まじめ系)


(3)BOB BERG / ANOTHER STANDARD

bob berg(ts,ss)       david kikoski(p)
ed howard(b)        gary novak(ds)
randy brecker(tp)      mike stern(g)

1997/stretch/MVCL-24004

ピン・ポーン、久し振りの大当たりです。
犬も歩けば棒にあたる、これだからやめられません。
チック・コリアがお気に入りのボブ・バーグのスタンダード作品集です。
私の大好きなシナトラのヒット曲をたくさん演奏してくれているのも嬉しい。
私が密か?に集めている、
「dragon流目立たないけどいいアルバム」の一枚です。
もろ、ジャズ・オタクのわたしの一面です。
こういうのは、余りマイナーな人ではいけないし、余りメジャーな人でもダメなのですねえ。
ある程度のジャズ・ファンにはよくある、いわゆる一人よがりというやつですよ、ha-ha。

(まじめ系)


(2)MIKE STERN / GIVE AND TAKE

mike stern(g)   john patitucci(b)   jack dejohnette(ds)
don alias(per)   michael brecker(ts)
david sanborn(as)    gil goldstein(p)
1997/atlantic/AMCY-2356

マイク・スターンにしては、相当硬質のジャズアルバムです。
ジョン・パティトゥッチ、ジャック・ディジョネットのバックも魅力があります。
ブレッカーもサンボーンも好きですが、正直に言いますと、
彼等のアルバムを一枚通して聴くのは、私には体力的に少々辛いんです。
ですからこうしたゲストで何曲かやってくれるのが最高です。


(中間系)


(1)ED THIGPEN / THREE IMPACTS

ed thigpen(ds)   monty alexander(p)   christian mcbride(b)
1997/meldac/MECJ-30109

エド・シグペン、モンティ・アレキサンダー、クリスチャン・マクブライドの
3人のコンビネーションが素晴らしいアルバムです。

中々凝ったピアノ・トリオを聴くことが出来ます。
ピアノ・トリオ特有の甘さはほとんどないので、くつろぎを求めている方には向きません。
若手の売れっ子ベーシストをベテラン2人が迎え撃つという構図です。

(まじめ系)