[トップページ]


2023年、みんなのベスト3

(1)>910さん

今年は、なぜかベスト3を考えはじめると、すぐに3枚がパッと頭に浮かんできて、これで行こうということになりました。いつもの年なら、全部リストアップしていってから絞り込むんですけど。まあ、10枚選ぶのは大変ですが、3枚だと私の場合こうなるよね、という結果になってしまいました。個人的なものだから、まあ、いいかと。珍しく、上半期のベスト3ともかぶっていません。(注)月末近くにあと最大5枚届くはずだったのですが、結局12月に入ってからになりました。

■Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2−4、6曲目、[CD2]1、3−4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

■ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

■Sonicwonderland/上原ひろみ(P、Key) Hiromi's Sonicwonder(Telarc) - Recorded May 25-28, 2023. Hadrien Feraud(B), Gene Coye(Ds), Adam O'Farrill(Tp, w/pedals), Oli Rockberger(Vo on 6) - 1. Wanted 2. Sonicwonderland 33. Polaris 4. Go Go 5. Up 6. Reminiscence Feat. Oli Rockburger 7. Trial And Error 8. Utopia 9. Bonus Stage Bouns Track: 10. Reminiscence

全曲上原ひろみの作曲ないしは共作(6曲目)。収録時間は75分。このメンバーだとどんなにすごいことをやっているのだろうと思ったら(確かにすごいが)、1曲目は大人の味のあるフュージョンと言う感じで少々抑えた具合がカッコいい。もちろんピアノがはじけている部分もありますが。エレキ・ベースのアドリアン・フェローもテクを見せてくれますし。タイトル曲の2曲目は、ややアップテンポで、キーボードとベースのユニゾンがなかなかすごいことになっています。今回はトランペットも参加していて、ピアノがその分負担軽減になっているような気がします。時に鋭く盛り上がりつつ余裕を持った曲が多いのも、成熟してきた表れではないかと。6曲目のヴォーカル曲はポップス的。カチッとしているけど各演奏者の自由度も高め。(23年9月6日発売)



(2)>A.tomyさん

今年は動かしようが無いので、決めちゃいます!

■類家心平&中島錠二「N.40°」
トランペットに、蛙のような、頬の息

■山口正顯&渡辺生死「砂山」
赤蜻蛉、ジャズにフリーに、ぐしゃぐしゃに

■SIGHTS(大原裕)「FIRST SIGHT」
南風、時に牙剥く、トロンボーン

ベスト3企画が今年でラストと聞いて残念です。
よろしくお願いします。



(3)>ゴロピカリさん

Best3というよりは、今年買って良く聴いたCDです。
特に意識していたわけではありませんが、日本人のモノばかりになりました。

■Songs in My Heart / 岡田嘉満
■MSB(Medical Sugar Bank)/ 佐藤允彦
■Alone Together / 今田勝 George Mraz



(4)>易満妙さん

今年は、1枚だけ買いました。

■Uniquities Vol 1~2 /jim hall/artist share

逝去する2年前、東京BNでのLive 録音です。



(5)>baikinnmannさん

ドラさん、お久しぶりです。
まずは自身の近況報告です。
@ 仕事:年金をいただける歳にまた一つ近づきましたが、下の息子がまだ大学1年・・なので当面現役続行です
A 健康管理:血管ストレッチ-毎朝、禁酒-週2回、週末早朝散歩-週1-2回継続中・・そのおかげなのか?現在、継続服用しているお薬はなし
B趣味:ジャズ聴き-毎日(365日) 畑仕事-朝・週3-6回(季節や天候による) クッキング-週末限定+晩酌・・ここ数年かわらず

でっ、本題の”ベスト3” 15度目の参加となりますが、よろしくお願いします。
今年で最後とのことで残念ですが、これまで毎年末楽しませていただきありがとうございました。
以下、今年新旧問わず新たに出会った36作品の中からの選出です。

ベスト3 ♪♪♪
■PAUL LAY TRIO / BLUE IN GREEN -Tribute to Bill Evans(La Scala 2022.2ライブ録音) 
Paul Lay (p) Clemens Van Der Feen (b) Dre Pallemaerts (ds)
フランスのピアニストPaul Layのトリオライブによるビル・エヴァンス トリビュート盤。
冒頭の“Minority”トリオ全開の血湧き肉躍る白熱の演奏で素晴らしい #2. 軽快なワルツ #3. 緊張感漂うブルース・・何れの演奏も躍動していて、こちらに迫ってくる。
#4. お待ちかね表題曲 “Blue in Green” 期待通り心に響く??
続く#5. は対照的に小気味よくスウィンギーでグングンと推進力に富む。
対照的に物悲しく泣ける#6. (終盤ヒートアップしますが) このコントラストにやられる。
#7. アーシーでファンキーなノリノリのトリオサウンドでスカッと終演。
ジャズライブの醍醐味が沢山詰まっている絶品アルバム、聴いて元気もらえます。  

■魚返明未 & 井上銘 (リボーンウッド 2022.2リリース)
魚返 明未(オガエリ アミ)(p) 井上 銘(イノウエ メイ)(g)
日本の若手、ピアノとギターのDUOによる完成度が高く、美しく感動できるサウンド。
このところの和ジャズの元気さを象徴する作品の一つだと思います。ずっと聴いていたいアルバムです。
実は昨年のベスト3でWAKAさんが挙げておられて知った作品です。WAKAさんに感謝(^^♪

■Hiroko Takada Trio / 秋音 - Live at cool jojo(D-neo 2022.4.6&7録音)
高田ひろ子 (p) 小美濃悠太 (b) 岩瀬立飛 (ds)
トリオ結成10年目にして初のアルバム。ライナーによると「いつかアルバムにしようと思いながら、ライブのたびに今日が最高だったと更新されるため、中々アルバム化できなかった」とのこと。進化していくトリオの今をライブレコーディングという形で届けてくれました。
ジャケからも想像できる通り、和の心満載??繊細で美しく且つダイナミックに躍動する、まるで生きているかのように瑞々しく臨場感に富む、鮮度抜群??のサウンドたち。
聴いてみて、日本に生まれ、これまでジャズを聴いてきて、つくづく良かったと実感できる・・そんな作品です。

次点3作品 ???
★Masaki Hayashi Group / Blur the border(S/N Alliance2022.8.11&12)
林 正樹 (p) 藤本一馬 (el-g.g) 鈴木広志(b-cl.bs.fl.cl.ss.ts)
吉田篤貴(vln.viola) 須川崇志 (b.cello.el-b) 福盛進也 (ds)
聴こえてくるのは、自然や心象風景を描いた感じだろうか?誰が出しゃばることなく派手さはないが、流石の6人による繊細で美しく・奥深くも広がりのあるアンサンブルの妙??
ゆっくりと流れる時を楽しむのに最適な1枚です。

★Danish Rain / Thomas Fonnesbak(Storyville 2022.3録音)
Thomas Fonnesbak (b) Justin Kauflin (p)
デンマークの名ベーシスト×アメリカで注目の盲目のピアニストによるDUO。
3曲目チックの” Windows” こよなく美しく、切なく、郷愁誘うイントロ・テーマを奏でたのち、それぞれのアドリブソロパートへ、躍動する2人の名演。他も全曲捨て曲無しの良盤です。

★temp / temptation(self-produced 2021.5.17-18録音)
伊地知大輔 (b) 魚返明未 (p) 加藤一平 (g)
良い意味でこれまで聴いたことがないような驚き?のサウンドで、今年一番衝撃を受けた作品です・・美しいピアノとベースに破天荒なギターが絡まってきて、この化学反応が凄い?・・結果不思議ですが、心打つ素晴らしいサウンド



(6)>ねひつじさん

今年はジャズの他に音楽配信でよく聴いていたのは、昭和のグループサウンズです。
近田春夫さんの『グループ・サウンズ』(文春新書)という本を
CD聴きの会に行く時に、新大阪駅で買って新幹線の中で読んでいたのですが、この本が面白かった。
いかにしてグループ・サウンズの流行が生まれ、あっという間に衰退したかを
色んな角度から語っていて、非常に勉強になりました。
タイガース、スパイダース、ワイルド・ワンズ、テンプターズと色々聴いてみましたが
中でもザ・ゴールデン・カップスは良いですね。カッコいい。

ベスト3ですが、3枚ともドラマーがリーダー、もしくは重要な役割です。


■Elvin Jones / Revival:Live at Pookie's Pub (Blue Note 1967 / 2022)

 Elvin Jones (ds), Joe Farrell (ts, fl), Billy Greene (p), Larry Young (p-Disc 1 A), Wilbur Little (b)

 Coltrane の死去直後にElvin Jones が小さなパブで繰り広げた演奏の未発表音源(CD2枚組)です。
 ライナーノーツによると、Coltrane のグループを抜けて以降、Elvin は仕事が見つからず、大変苦しかった時期のようですが、そんな鬱憤を晴らすような灼熱の演奏。最後の16分に及ぶ「Oleo」は壮絶です。

■Cedar Walton, Ron Carter, Jack DeJohnette / The All American Trio (LP・Baystate 1983)

 日本制作のピアノ・トリオ・アルバムです。
 Cedar Walton, Ron Carter とくれば、ドラムはBilly Higgins かなあと思うのですが、ここでJack DeJohnette を持ってきたのは偉い!(プロデューサーはBenny Golson)
 ドラマーが変わるだけで、こうも空気が変わるかなと思います。スタンダードナンバーは2曲のみで、あとは全て3人のオリジナル曲というのも高ポイント。

■The Ray Appleton Sextet / Killer Ray Rides Again (Sharp Nine 1996)

 Ray Appleton (ds), Slide Hampton (tb), Charles McPherson (as), Jim Rotondi (tp), John Hicks (p), Peter Washington (b), Dumah Saafir (congas)

 今年、東京のディスクユニオンで見かけて購入したCDです。
 ベテラン?中堅による安定した演奏(コンガも効果的)、それに選曲もなかなか渋い。
 このレーベルのアルバムは他にもピアノ・トリオを持っていますが、音がとても良いです。



(7)>oza。さん

昨年は参加できずにすいませんでした。
今年で最後にされるとのことなので、忘れず(汗 参加させていただきます。

---
例年の通り順番をつけないで3枚と特別賞2枚を選びました。

■"Uncle John's Band" John Scofield (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501702166.html )
久々にJohn Scofieldの真骨頂という演奏目白押しで、2枚組てんこ盛りですが、2枚まるまる大満足でありました。

■"Dynamic Maximum Tension" Darcy James Argue (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501109665.html )
■"Beyond Orbits" 挾間美帆 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501182905.html )
今年9月頃に聴いたラージアンサンブルが琴線に触れるすこぶる良い作品だったので、両方とも今年のベスト3に入れます。
いずれも、これまでのラージアンサンブルのサウンドから進化していることが感じられ、そのサウンドが個人的に見事にはまりました。

特別賞
"Blur The Border" 林正樹 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498740760.html )
"Masks" 須川崇志 Banksia Trio (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/499737558.html )
特別賞というか次点的扱いになるんですが、林正樹、須川崇志の両名が絡んだ作品2つを挙げます。
いずれもスルメ的魅力(聴けば聴くほど味わい深くなってくる)に溢れた作品に仕上がっています。



(8)>madameさん

2023年 BEST 3

■1.SONIC WONDER LAND / 上原ひろみ
先日の国際フォーラムでのライブでその圧巻のパワフルさ。
ジャケットをみればカラフルで、おもちゃがちりばめられたかのような感じ。
ところが演奏内容は、ドッカーン!この人の特徴です。でも、静けさを感じる部分も。
緩急自在。曲調も、それぞれ。重量級のパワフルさがあるのに、軽やかさも感じます。
グイグイと引き込まれ、乗せられていくような感じは彼女ならでは。
バックとの呼吸もピッタリです。ブルージャイアント以来、若いファンも増えてその流れもあって、彼女のサウンドがまたエネルギーアップした感があります。
今の時代を味方につけている演奏、聴衆のエネルギーと呼応しあうかのよう。
圧巻です。

Hiromi (p), Hadrien Feraud (b), Gene Coye (Ds), Adam O’farrill (Tp)
Oli Rockberger (vo)

■2. VINTAGE / 平賀マリカ
 海外有名アーテイストといろんなアルバムを出していて、確実に実力をあげていった
彼女は邦人ボーカリストとしてはトップクラス。
加えて、ハクエイ・キムさんのピアノ、アレンジがとてもいいです。
彼との出会いでまた彼女の新境地が開けた感じで、とても興味深く聴いています。
面白いのはAngel Eyes ブラックな感じでのテイスト。新鮮です。
全編、ハクエイさんのアレンジとピアノが面白いです。
曲によって入るバイオリンが効果的。いい味わいを出します。
やはり新しい感覚。ライブではもっと、それを楽しめたと、感じました。

平賀マリカ(vo)、ハクエイ・キム(p)、杉本智和(b)、金子健(b)、会田桃子(vn)

■3. SOMETHING TOMORROW / ENRICO PIERANUNZI
安定した彼ならではの演奏内容。ピエラヌンツイ・ワールドに、たちまち引き込まれます。
もうなじんでいる彼ならではのフレーズ、サウンドは聞いていて安心感があります。
新しいものに挑戦するには、こちらの受け皿もそれなりに。
でもそんなことは無用に、スッと入っていけるのは、長年、彼を聞いていたことをあらためて感じます。

Enrico Pieranunzi (p), Thomas Fonnesbeak (b), Andre Cecarelli (ds)

ドラさん、長い間 お疲れさまでした。Best 3 は楽しかったです。
本当に参考になりましたし、ジャズ聴きの奥行きも増しました。
あらためて、ありがとうございました。



(9)>TAKASHIさん

こんにちは、今年が最後とは、なんとも寂しいですね。
年々 新譜購入枚数も減ってきて、ここ数年はさして聴いていないのに
ベスト3はおこがましいと遠慮してきましたが、今年購入した3枚ということで参加します。

相変わらずの女性ヴォーカル三昧です。


■VERONICA SWIFT (MACK AVENUE, USA, 2023)
 ここ数年、ひそかに応援しています。
 DNAか努力の結果か、溢れるほどの才能。
 ベートーヴェンの「月光ソナタ」をアレンジして歌うなんて粋なことします。

■ROBIN MCKELLE / Impressions Of Ella (DOXIE RECORDS, USA, 2023)
 久しぶりのスタンダード・アルバム。 バックがいいのよ!
 Kenny Barron(p), Peter Washington(b), Kenny Washington(ds)

■Laila Biali / Your Requests (ACT, DE, 2023)
 カナダ出身のヴォーカリスト
 ゲスト・ヴォーカリストが豪華です
 Kurt Elling、Emilie-Claire Barlow、Caity Gyorgy



(10)>Suzuckさん

今年も、参加させてください♪
私の今年のベスト3は、、以下の3枚です。
今年は、ECMから好きなギタリストのアルバムが、、
沢山リリースされて、悩ましい選択となりましたが、、
やっぱり、昔から好きな人が好き。

■『At First Light / Ralph Towner』
<a href="https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-512...『At First Light / Ralph Towner』</a>

■『Sphere / Bobo Stenson Trio』
<a href="https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-6a5...『Sphere / Bobo Stenson Trio』</a>

■『Kings Highway / Brian Blade Fellowship Band 』
<div><a href="https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2023/09/post-720...『Kings Highway / Brian Blade Fellowship Band 』</a>



(11)>ドラ


選考後記
今年の新作買い(新旧共)は7月までで終わりました。
何だか急に意欲を失ってしまって未だに続いています。
CD処分を決断した影響もあるかも知れません。
衝撃を受けたサマラ・ジョイとイヴ・タイラー・トリオは即決定。
もう1枚は迷いましたが久し振りにじっくりと聴き込んだドン・メンザ&サム・ノートを選びました。

■SAMARA JOY / SAMARA JOY (2021/Whirlwind Recordings)
samara joy(vo)
pasquale grasso(g), ari roland(b), kenny washington(ds)

1 Stardust
2 Everything Happens To Me
3 If You Never Fall In Love With Me
4 Let's Dream In The Moonlight
5 It Only Happens Once
6 Jim
7 The Trouble With Me Is You
8 If You'd Stay The Way I Dream About You
9 Lover Man
10 Only A Moment Ago
11 Moonglow
12 But Beautiful

サマラ・ジョイの初リーダー・アルバムです。
サマラは1999年生まれのニューヨーク出身、ゴスペル一家に育ち録音時は21歳でした。
2019年に「サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペテイション」で優勝。
今作のレーコーディングに繋がったとの事です。

全12曲のスタンダード作品集ですが歌の上手さは驚異的でした。
パスクアーレ・グラッソのギターもいいです。
聴けばすぐに分かるけど末恐ろしいほどの才能を持っています。
まず艶があって伸びのある歌声が素晴らしく、音感もリズム感もノリも抜群です。
つまり多彩で自由自在な自己表現が可能になります。
「滅茶苦茶に歌が上手い」という表現しかないというのがもどかしいほどです。
いったいどれほどの歌手になるのか?・・・その期待はとてつもなく大きい。

注目のパスクアーレ・グラッソと共に伝統に根ざしているのも好感が持てます。
「温故知新」という言葉がピッタリときました。

■YVES THEILER TRIO / STANDARDS - Volume 1 (2023/TCB)
yves theiler(p), marc mezgolits(b), marton juhasz(ds)

1 All The Things You Are (J.Kern)
2 You And Night And The Music (A.Schwartz)
3 The Way You Loook Tonight (J.Kern)
4 Conception (G.Shearing)
5 Falling In Love With Love (R.Rodgers)
6 The Saga Of Harrison Crabfeathers (S.Kuhn)
7 Stolen Moments (O.Nelson)
8 I Thought About You (J.V.Heusen)

イヴ・タイラー(p)は初見、スイスのピアニストです。
これはねぇ〜、聴き始めから驚きましたよ。
「素晴らしい!!」
こんなにクリエイティブなピアニストがいたんですね。
スタンダード作品集なので軽い気持で買ってみたんだけど全然違いました。
聴きなれたスタンダードに彼の鋭い感性が刻み込まれています。
是非一度聴いてみて下さい。
今年のベスト3の一枚が決まりました。

■DON MENZA & SAM NOTO QUARTET / STEPPIN' (2023(1980Rec)/Fresh Sounds)
don menza(ts), sam note(tp),
dave young(b), terry clarke(ds)

1 Something Old, Something Blue (M.Levine)
2 Lover Man (D.R.Sherman)
3 Spanish Boots (D.Menza)
4 Paddelin' Maddeline (D.Menza)
5 These Are Things I Love (J.Scott)
6 Steppin' (D.Menza)

ドン・メンザ(ts)とサム・ノート(tp)のピアノレス・カルテット盤です。
「これは珍しいな」と思って手が伸びました。
名手デイヴ・ヤング(b)とテリー・クラーク(ds)のリズムもシブいです。
1980年のカナダのトロントでのライブ盤で今回が初お目見えの発掘盤だと思われます。
メンザはメイナード・ファーガソンやバディ・リッチ、ノートはカウント・ベイシーやスタン・ケントンに在籍しました。
共にビック・バンド畑の出身でキャリアは似ています。
メンザは遅れてきたジャズマンの一人でちょっと気の毒でしたがこのところ再評価されているようで良かったです。
何枚か聴きましたがスタンダードが中心で今作ではメンザのオリジナルが3曲も聴けたので新鮮でした。
ただ1曲が長くトータル80分弱の長丁場なので聴き続けるのはきつかったです。
それだけにこの日の二人が絶好調だった証拠で演奏内容が充実していて聴き応えはありました。
随所でメンザとノートのとどまるところを知らない圧倒的なソロを聴くことが出来ます。



(12)>WAKAさん

私は2013年からの参加なので大先輩方には遠く及びませんが、毎年この時期になると今年はどんな音楽に出会えただろうか、と思い返す良い機会をこの掲示板からもらっていました。
皆さん十人十色のベスト3をのぞき見するのも非常に楽しく、ここで知ったCDが結構あります。自分の守備範囲だけだと聴く音楽が偏りがちなので、この様な場はとても貴重でした。
本当にありがとうございました。

■今年行ったライブは↓↓
TOMOO、banksia trio(林正樹・須川崇志・石若駿)、江澤茜&David Bryantデュオ、須川崇志トリオ(須川崇志・若井優也・中村海斗)、コトリンゴwith副田整歩、山下達郎、Peaceful Dreams(さがゆき&高田ひろ子)、魚返明未&高橋陸デュオ、紗理&若井優也デュオ、緑黄色社会です。
中でも6月に行われたTOMOOの東京NHKホールでのライブ「Walk on The Keys」は格別でした。
今私が最も注目している28歳のSSWです。
中野Sweet Rainで見た魚返明未&高橋陸Duoライブも凄かったです。このデュオはこれからも追っていこうと思います。

さて今年印象に残った作品ですが…
■@Try your wings/Peaceful Dreams(Time Machine Record TMCD-1032)2023年
・さがゆき(ボーカル)
・高田ひろ子(ピアノ)

さがゆきさんの歌詞を大切に噛みしめるような、それでいて自由な歌唱が大好きです。このCDは高田ひろ子さんとのデュオライブを厳選したもの。
ポール・サイモンの「Old Friend」や小室等の「夏が終わる」、果てはSMAPの「夜空ノムコウ」まで、こんな良いメロディー&歌詞だったのか!と改めて気づかされるような素晴らしい歌唱・演奏が詰まっています。
広がりを感じるような録音も素晴らしい!

■APACO PACO/The Bill McBirnie Duo-Quartet(Extreme Flute EF04)2006年
・Bill McBirnie(フルート)
・Bernie Senensky(ピアノ)
・Neil Swainson(ベース)
・John Summer(ドラムス)

実は私けっこうジャズフルートが好きなんです。
ただCD店で探してもモダンジャズ路線の人はほとんどいません(特に最近の人)。
中古店でこの作品を安価で購入出来たときはかなり嬉しかった。
選曲もジョン・コルトレーン「Like Sonny」、セロニアス・モンク「Hackensack」、ソニー・ロリンズ「Doxy」、キース・ジャレットの「My Song」等、いかにもジャズファン好みではないでしょうか?
ストレートなジャズ好きな方にお勧めできる好内容盤です。
バックのピアノトリオも誠実&堅実な演奏で心地よい。

■BGENERATIONS/Martin Speake(Pumpkin Records 002)2008年
・Martin Speake(アルトサックス)
・Barry Green(ピアノ)
・Dave Green(ベース)
・Jeff Williams(ドラムス)

これは全く未知のアルトサックス奏者ですが、選曲があまりにも魅力的だったので即決で購入。曲順に記載すると
1.My Melancholy Baby
2.I'm a fool to want you
3.In Love In Vain
4.I Wish I Knew
5.Jitterbug Waltz
6.All The Way
7.Donna Lee
8.Just a Gigolo

ここまで私好みの曲で揃えられると買わざるを得ないでしょう!?
そしてその期待に応えてくれるように美しい&ジャズならではの緊張感もある素晴らしい内容でした。
まずリーダーのアルトサックスの音色が印象的。クールな中に温かな人間味も感じさせる、どこかポール・デスモンドに通じる音色です。
ワンホーンのバラード集が好きな方はぜひ探してみてください(Spotifyにもありますが…)。



(13)>kita3さん

ドラさん様、ベスト3が最後になるかもとのこと、とても寂しく思っております。
周りにジャズを話せる友人知人もおらず、こちらのベスト3が私にとっては唯一の交流の場でした。
ドラさん様からいただく温かいコメントは、お会いしたことはないのですが、人柄がしのばれ、毎回毎回かみしめながら嬉しく読んでおりました。
また、いつも拝読させていただいているジャズHPのライターの皆さんのベスト3を読むことができるのも、旧知の皆さんと1年ぶりでプライベートでお会いしているようでとても楽しみでした。
私事、2002年から投稿させていただきましたが、1年を振り返る貴重な機会でしたし、個人的ジャズ歴の記録の場にもなっていました。
長きに渡り、本当にありがとうございました。また、ご縁ありましたら、どうぞよろしくお願いします!

それでは、最後のベスト3です。
■第1位  Brent Jensen / The Sound Of A Dry Martini
お気に入りのミュージシャンにポール・デスモンドがいるのですが、もし彼が21世紀に生きていたらという感じで、とても良かったです。単なる亜流にとどまらず、いいな〜って感じで聞けました!

■第2位 渡辺貞夫 meets 新日本フィルハーモニー交響楽団
無人島に持っていきたい1枚にナベサダのハウズ・エブリシングがあり、あのキラキラ感はないのですが、これはこれで、今の1枚として気に入りました。上のBrent Jensenと同じような感想ですが。。。

■第3位 Hi-Fi Set Sings Yuming
すみません、3位はこちら。大学生の頃に大好きだった1枚で、やっぱりCDでほしいなと、つい今年ブックオフで見つけて買いました。実は今年買ったCDの中ではぶっちぎりでした。月数枚旧譜中心にジャズを買い続けているのですが。。。